発色もディテールも“しゃきっとした感じ”──「W44T」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)
「少々難あり」と今まで評価してきた東芝製端末のカメラ機能。しかし今回のW44Tは、320万画素MOSセンサーを採用し、きちんと「普通のマクロ機能」を搭載した。これがどれだけよい結果をもたらすのか、使い勝手と写りをチェックしていこう。
この連載で最後にauの東芝端末を取り上げたのは「W41T」(2006年3月23日のカメラレビュー記事参照)だった。その前に試用した「W31T」も含めて、携帯としては最高画素クラスの300万画素CCDを搭載しながら写りはいまいちで、特にマクロモードに難ありという評価となった。
普通のパンフォーカス系ケータイカメラは、マクロモードにすると内部でレンズが1つ動いて近距離撮影が行えるようになる(逆に遠くにはピントが合わなくなる)。しかし、今までの東芝製端末のカメラはマクロモードといいながらレンズは動かさず、絞りを切り替えて「ピントの合う範囲を広げる」という仕組みを採用していた。それが「難あり」という評価につながっていた。
今回試用する「W44T」はきちんと「普通のマクロ機能」を搭載した。レンズの脇にマクロ切り替えスイッチも備わっている。これにより、どのくらいカメラ機能が向上したかをチェックしてみよう。
“デジカメスタイル”で撮れる320万画素カメラ
カメラの解像度はW41Tとほぼ同じ320万画素だが、今回はCCDではなくMOSセンサーを採用する。とうとうメガピクセルカメラも完全にMOSセンサー系が主流になったと思ってよさそうだ。今でもCCDを搭載するのはシャープのハイエンド端末や、富士写真フイルムのハニカムCCD搭載モデルだけのような気がする。以前と比べて、カメラ機能が端末の評判を大きく左右する時代ではなくなってきているということや、ケータイ用のMOSセンサーの性能が上がってきたことが理由だろう。
W44Tのカメラ機能は非常にオーソドックスだ。QVGA(壁紙)以下のサイズでは縦向きで普通に端末を開いて撮るスタイルで、VGAから3Mモードまでの大きなサイズで撮る場合は横向きで、かつ回転2軸のディスプレイを活用し、それを表にして折りたたむデジカメスタイル(ターンオーバースタイル)で撮る。パンフォーカスなのでシャッターを押すとすぐ撮れるのがよい。
デジカメスタイル時は上面の5つのボタンでカメラ機能をすべて操作できる。[シャッター]キー以外のキーでメニューの表示や選択の操作が行える。[●]ボタンは、軽く押すとメニューを表示し、長押しすると撮影補助用ライトが点灯する仕組みとなっている。
VGAサイズ以上に設定した場合はメニューもきちんと横向きになる。端末を開いて縦に持った場合も、VGA以上の設定時にはこのメニューになる。その都度端末を横向きにしたり、ディスプレイをひっくり返すのが面倒と思うユーザーには不評かもしれないが(ターンオーバースタイルにしているか否かでメニューの表示方法を分けてくれれば一番いい)、簡単な操作で素早く全機能にアクセスできるのは便利だ。
このメニュー項目の中に「ナイトモード」や「QRコードリーダー」がある。さらに鏡像表示機能(自分撮り用)も用意する。最近では、カメラ機能は「シンプル/フルオートできれいに撮れる」というのがトレンドであり、場面に合わせて設定する必要なく、撮りたいときにすぐ撮れるならば、それが一番だ。
カメラの起動時間は約2秒。記録時間は3MモードでもSDメモリカードへ約4秒で保存できる。なかなか速くて快適だ。撮りたいときに素早く撮り、さっとしまう使い方もでき、ほどよく快適である。
ただ、ディスプレイはもうちょっと高いコントラストで見やすければよかったと思う。外で使うとなるとなおさらだ。
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