専用音楽プレーヤーに負けない使い勝手──“意地”の音楽ケータイ「910T」を試す(後編)(2/2 ページ)
1Gバイト内蔵メモリやBluetoothレシーバーが付属し、着うたフルに加え、手持ちのMP3ファイルやiTunesで録音したノンセキュアAACファイルも活用できる「910T」。後半は、バックグラウンド再生や混在プレイリストが可能か、そしてBluetooth再生時の使い勝手を中心にチェックする。
フォーマット/保存メディアを選ばず、混在プレイリスト作成が可能
本機で使用する音楽データは、フォーマットや保存ストレージの隔てなくシームレスに管理されるのも特徴だ。着うたフルデータとPCから転送した音楽データはもちろん、内蔵メモリとminiSDメモリカードの区別もなく、メディアプレーヤー内では一括で管理されている。
また、プレイリストも自由に作れる。プレイリストへの登録は任意の複数曲をまとめて指定でき、再生順も登録後に任意に変更可能。再生中の曲は「メディアプレーヤーボタン」の長押しによりデフォルトのプレイリストである「マイライブラリ」にワンタッチで登録できるのも便利だ。日々音楽を聴きながら、気に入った曲があったら[メディアプレーヤー]キー。iPodに備わるOn-The-Goのような機能であり、この操作だけで自然にお気に入り曲だけのプレイリストができあがる。プレイリストはPC側で編集できないのが残念なところだが、これら本体の操作性で、ある程度カバーできている。
2G時代のUIも継承。基本的な使い勝手のよさも魅力
Bluetooth機能については音楽再生部分以外にも、東芝製端末らしくBluetoothプロファイルも多くサポートする。「HFP(Hands-Free Profile)」「HSP(Head Set Profile)」でのワイヤレスでのハンズフリー通話、「DUN(Dial-Up Networking Profile)」でのワイヤレスモデム利用も可能で、データ交換では「OPP(Object Push Profile)」に加えて「FTP(File Transfer Profile)」もサポートするため、ファイルタイプに制限されることなくPCなどと相互にファイルを送受信できる。たとえばテキストファイルやOutlookのメモなども転送でき、本機側で閲覧可能だ。
ユーザーインタフェースにも大きく手が入れられている。グリップスタイルでさまざまな操作が可能なのも特徴だが、東芝端末の2G時代のユーザーインタフェースを採用した点も大きな特徴だ。ソフトバンクモバイルの3G端末はボーダフォン時代の世界標準インタフェースこそ撤回したが、撤回後に登場した端末もその影響はゼロではなかった。本機は、ほぼ2G時代のユーザーインタフェースに回帰したスタイルとなっており、従来の3G端末よりも一般的な使い勝手になっていると感じる。旧ボーダフォンの東芝製2G端末ユーザーが移行するのに適している端末とも言えそうだ。
ショートカットメニューの利用によりマルチタスク操作も可能で、例えばWebアクセス中にメール操作もできる。そもそも3G端末である本機はWebアクセス中にもメールの送受信が可能だが、新着メールのチェックもブラウザを終了せずに操作できる。これは音楽の再生中も同じで、ワイヤレスで音楽再生を行いながらWebアクセスし、届いたメールもすぐチェック・返信できるようになっている。
910Tはソフトバンクモバイルとしては初となる、Bluetoothを活用したワイヤレス音楽ケータイであるが、製造元である東芝はすでにKDDI向けとして2機種のBluetooth音楽ケータイを投入している。本機はこの経験が存分にいかされ、ワイヤレス音楽プレーヤーとしてのツボを押さえている。1Gバイトという大容量の本体内蔵メモリに加え、Bluetoothレシーバーも付属するオールインワンパッケージである点も大きな魅力だ。
ポータブルMD/CDプレーヤーから移行するユーザーであれば1Gバイトの内蔵メモリだけで十分楽しめるだろうし、2GバイトまでのminiSDカードも別途利用できる。着うたフルだけでなく、手持ちの音楽CDやPCに保存する楽曲データの活用も想定した工夫が存分に盛り込まれていることで、「携帯とプレーヤー機器は、別々ではなく携帯1つで済ませたい」と考えるユーザーにとっては便利に使えるのではないだろうか。
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