100MBのデータも約1秒で転送――KDDI、1Gbit/s高速赤外線通信技術を公開:CEATEC JAPAN 2008
KDDIは、現在普及しているIrSimpleの250倍というスピードで赤外線通信が行える「1Gbit/s高速赤外線通信技術」をCEATEC JAPAN 2008で公開した。100Mバイトの大容量データも、約1秒で転送できる。
KDDIはCEATEC JAPAN 2008で、100Mバイトのコンテンツを約1秒で送受信できる「1Gbit/s高速赤外線通信技術」を公開した。現在普及している赤外線規格(IrSimple:約4Mbps)の250倍というスピードで赤外線通信が行える。
1Gbit/s高速赤外線通信は、KDDI、KDDI研究所、ローム、イーグローバレッジが共同で開発を進めている技術。“Giga-IR”という名称で赤外線通信の標準化団体「IrDA」にワーキングループも作られており、現在標準化を進めているという。
高速化のポイントとなるのが、半導体レーザー素子の採用だ。これまでの赤外線通信にはLEDが使われていたが、より応答速度を速められるレーザー素子を使うことで高速化を実現。用途を近接通信に絞り、低い出力で動作させることで安全性も確保した。通信時の距離は5センチ程度がベストで、上下左右10度以内なら確実に通信できる。また、技術的にはLEDを使った赤外線通信のエミュレーションも可能で、従来の赤外線通信規格と互換を持たせることもできるという。
会場では、専用モジュールを組み込んだ試作端末を使って高速赤外線通信のデモが行われた。一般に赤外線でやり取りするものといえば、ほとんどがアドレス帳データやブックマークなどのテキストか、せいぜい数Mバイト程度のデジカメ画像だが、デモでは3つで合計60~100Mバイトとなる動画ファイルを用意。開始から1秒かからずに転送を終えていた。
この高速赤外線通信技術は大容量のマルチメディアファイルも極めて短時間にやり取りできることから、KDDIでは端末間のデータ転送だけでなく、デジタル家電やPC、プリンターなどの周辺機器との今以上の連携も検討している。また、高速赤外線用コンソールを自動販売機のように店頭へ設置し、動画作品などコンテンツ販売などにも応用できるという。
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