KDDI、ケータイ用ワイドVGA有機ELディスプレイを展示――製品化は「ごく近い時期」:CEATEC JAPAN 2008
KDDIはCEATEC JAPAN 2008の同社ブースにて、今後のauケータイに搭載される予定の「Visual WVGA有機ELディスプレイ」と「3D液晶」を公開した。WVGA有機ELは「ごく近い時期」に製品化されるという。
KDDIは、千葉・幕張メッセで開催中のCEATEC JAPAN 2008にて、今後のau端末に搭載予定という「Visual WVGA有機ELディスプレイ」と「3D液晶」を公開した。
auケータイでは、日立製作所製の「Woooケータイ W62H」や京セラ製のSANYOブランド端末「W61SA」、東芝製の「W61T」がメインディスプレイに有機ELを採用していたが、解像度は最大でもフルワイドQVGAまでだった。
Visual WVGA有機ELディスプレイは、韓国Samsung SDI製の有機ELパネルを採用したディスプレイで、解像度は240×RGBG×800ピクセル。“240×RGBG”とは、レッド(R)とグリーン(G)、ブルー(B)とグリーン(G)という4つのLEDで構成されるブロックが240個並ぶという意味で、ワイドVGA(480×800ピクセル)相当の解像度を実現しているという。
このディスプレイの表示色は1677万色以上で、輝度は200カンデラ/平方メートル、コントラスト比は3万:1以上。コントラスト比については、「おそらく10万:1近くあると思うが、3万:1以上の測定ができないためスペックとしては“3万:1”としている。技術的には、有機ELのコントラスト比は100万:1が可能」(説明員)とのことだ。また有機LEは、構造上どの角度から見ても階調に変化が起きないため、上下左右の視野角は実質的に180度。そのため、視野角についてのスペックはうたわないという。
気になる製品化の時期は「ごく近い時期」(説明員)だという。そろそろ発表されるであろう2008年冬モデルに搭載される可能性は低いが、2009年早々に発表されると思われる2009年春モデルには、搭載されているかもしれない。
3D液晶は、2D映像を3D映像に自動変換するソフトウェアと、裸眼でも立体視が可能な映像を表示できる液晶パネル(480×800ピクセル表示対応)を組み合わせた技術。3D用に撮影された映像ソースはもちろん、ケータイカメラで撮影した静止画やダウンロードした動画、ワンセグ放送なども自動的に3D表示できる。
もちろん通常の2D表示も可能で、手動または自動で2Dと3Dの表示が切り替えられる。メールやアドレス帳などのテキスト中心の画面や、Webページなどテキスト/画像/Flashなどがまざったものも3D表示できるが「はっきりいって見づらいと思う」(説明員)とのこと。3D液晶の製品化次期はまた未定で、おそらくVisual WVGA有機ELディスプレイよりも先になるという。
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