第6回 自分に合う料金プランは何か──ドコモとauの場合:ケータイの「分離プラン」を改めて考える(2/2 ページ)
前回までは「分離プラン」導入後の携帯電話の販売方式と価格を考察した。今回は端末購入方法と同様に、キャリア選択時に重要となる料金プランや通話料金の違いを改めて考えてみよう。
さて、この2社は「どのように“1カ月に通話する時間”に応じた料金プランを選ぶか」がいかにお得に使えるかにつながる。無料通話分を含む料金プランは「たとえ繰り越しできたとしても、余らせない」プランを選択するのがベターである。少し古いものだが、2006年当時の記事でも十分に参考になると思われる。
しかし、この図式も「基本料金50%オフ」(ドコモの「ひとりでも割50」、auの「誰でも割」)が当たり前になると、少し見直す必要が出てくるかもしれない。
基本料金が半額になっても無料通話分は変わらないため、料金プランごとの通話時間における損益分岐点がずれてくるためだ(ちなみに従来と分離プラン導入後の料金の差額は一定で損益分岐点のズレは発生しない。差額がそのまま利用料金に反映される。ドコモとauともに、最も低廉な基本料金だけ分離プランの割り引き額が大きい分、ズレが少々発生するが、これはごくわずかだ)。
この「基本料金が半額」になったときのズレは、ドコモを例に表でまとめてみよう。
例えばバリューコースのタイプSSとタイプSを比べると、基本料金の割り引きなしだと通話時間が54分以上で、1つ上のタイプSの月額利用料金(基本料金+通話料金)が安価になる。しかし基本料金が半額(ひとりでも割50加入)になると、40分ですでにタイプSが安くなる。
また、タイプMとタイプLは、基本料金割り引きなしだと250分の通話で利用料金が同額になるが、基本料金50%オフだと197分、つまり約1時間ほど短い時間でタイプLが安くなる。もちろん「無料通話分を使い切る程度がベター」な点は変わらないが、無料通話は「余るよりは少し超えるくらいがよい」の法則は意外に揺らぐことも分かる。
ドコモとauにおける無料通話料金込みの基本料金体系は一時期、“発信先や時間帯で異なった通話料金が一本化された”ことで分かりやすくなった。基本料金の割り引きがそれほど大きくなかったこの時代は、無料通話分は「余るよりは超えるくらいがよい」の法則がまさに当てはまった。
ところが2009年現在は、単独の個人契約でも“基本料金半額”が当たり前になってしまったので「どの料金プランが自分に合っているのか」を判断するのが少し難しくなったといえる。つまり「毎月無料通話分が余り、さらに繰り越しても使い切れない場合」であっても「低廉な基本料金プランに切り替えることで得にならないケースもある」ことは覚えておいて損はないだろう。
(続く)
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