海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「アメリカ・ラスベガス」編:「いつもよりドタバタ」な海外定額データ通信(2/2 ページ)
カジノやエンターテインメントで有名なアメリカはラスベガス。国際展示場もあり、毎月のように大きな展示会も開催されている。2012年1月に行われた2012 International CES取材用に、現地でプリペイドのデータ通信環境を入手した。
H2Oのプリペイドモデムも購入──使い勝手にやや難点
もう1つ、3G回線を利用するデータ通信環境も念のため購入しておいた。
アメリカでは大手の通信事業者からもプリペイド製品がいくつか販売されているが、今回はBestBuyの各店舗で見かけた「H2O Wireless」の製品を購入してみることにした。H2OはAT&TのMVNOであり、3G対応のUSBモデムの販売とプリペイドデータ通信サービスを行っている。料金はオンラインでクレジットカード払いするスタイルだ。
オンラインで手続きするため、まず何らかの方法でネットにアクセスできなければ手続きできないのは一応注意してほしい。今回はホテルのインターネットサービスを利用したが、場合によって余計なコストがかかるかもしれない。またパッケージの説明に登録方法が記載されているが、実際に使うと少々異なっていたのでその点にも注意が必要だ。
登録は、H2O WirelessのWebサイト(http://H2Obroadband.com/activate/)にて行う。
連絡先としてアメリカの電話番号の入力が必要だが、滞在ホテルのもので問題ない。登録完了後、画面左のメニューから「Activate」→「H2O Broadband」を選択し、パッケージに同梱されるSIMカードに書かれた「Accound ID」と12ケタの「PIN」を入力すると完了。……なのだが、このPINが見当たらない。説明によると「データ端末の裏に記載されている」とのことだが、それらしい番号はどこにもない。
登録ページの画面をよく見ると、下部に「Don't have a PIN ? Please click here.」(PINがないならこちら)とある。このリンクよりクレジットカードでの支払いページへアクセスでき、料金を支払うことが可能になる。そもそも「PIN」が何のPINか不明であり、プリペイドSIMの購入に慣れている筆者でさえ少し戸惑ったので、はじめてだとどうなるのだろう。もう少しだけ親切にしてくれてもいいのにね。
料金プランは「100Mバイトまで/1日:15ドル」「300Mバイトまで/1週間:30ドル」「1Gバイトまで/1カ月:50ドル」がある。クレジットカード情報はアメリカの住所を入力するようになっているが、住所は滞在ホテルで大丈夫。とりあえず今回は日本発行のクレジットカード番号で利用できた。カードによっては使えないものがある可能性もあるのだが、この場合は、先ほど紹介したプリペイドのデビットカードなどを使う必要があるかもしれない。
同梱されるUSBモデムはSierra Wireless製だった。この手の製品はHuaweiやZTEなど中国メーカー製のものが多いのだが、これはちょっと珍しい。ともあれ基本機能は同じで、SIMカードをセットし、PCへUSB接続するとドライバとソフトウェアのインストーラが起動する、いわゆる“ゼロインストール”対応のものだ。
ところが、接続ソフトのインストール中に再現性のあるエラーが起こる。PCとの相性が悪いのか、ソフトウェアが悪いのか、日頃のおこないが悪いのか不明だが、削除/インストールなどを1時間ほど格闘し、結局面倒になって使用はあきらめた(別のWindows XP搭載サブPCでは大丈夫だったので、たまたまなのだろうが)。
このように、H2O WirelessのUSBモデムセットは、登録後の作業が説明と異なる部分に悩み、料金はネットに接続して支払う必要があるうえ、USBモデムのインストールでもエラーにあうなど、万人にお勧めしにくい結果になってしまった。
ま、たまにはこんなトホホな事例も旅情ということにしていこう。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯コレクターとしても知られ、2008年は100台以上携帯電話を購入。所有する海外端末数はもうすぐ1000台(2011年9月時点)。
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