Sprintの孫正義CEO、「米国のひどいネット環境を改善する」
米メディアの年次カンファレンスに登壇した孫正義氏は、「日本でNTTに立ち向かった時、私には資本も技術もなく、あったのは怒りだけだった」が低価格で最高水準のネットサービスを構築できたとし、米国でもSprintで同じことをすると語った。
米SprintのCEOも務めるソフトバンクの孫正義社長は5月28日(現地時間)、米Re/codeの年次カンファレンスCode Conferenceに登壇し、米国のインターネット環境やSprintでの取り組みについて語った。
孫氏は米国のネット環境を中国の空気汚染に気づかない地元の人々に例え、「外国人にとっては最悪の環境でも、北京の地元の人が“今日は空気がきれいだ”と感じるように、私にしてみれば米国のオフィスやシリコンバレーの自宅のネット環境は“米国人はよく我慢できるな”というひどさだ」と語り、インタビュアーのウォルト・モスバーグ氏に「ご自宅のネットはどこのサービスか?」と聞かれると「Comcast!」と答え、会場から笑いが起きた(ComcastはISPも運営する米国のCATV最大手)。
「私が日本でソフトバンクモバイルを立ち上げてNTTに立ち向かおうとしたとき、周囲は“気が狂っている”と言った。当時われわれには経験も、技術も、資本もなかった。あったのは怒りだけだった」「だが、われわれは利用料が4分の1で、世界最速のネットを提供している」と孫氏。同じことを米国でも実現すると主張する。
ソフトバンクが2月に買収を完了したSprintのLTEのパフォーマンスについてモスバーグ氏が苦言を呈すると「それは私も認める。だが、私はまだSprintのCEOになって半年もたっていない」と答えた。
Sprintは米国でVerizon、AT&Tに次ぐ3位の携帯電話事業者。孫氏は3月、Sprintが現在業界4位のT-Mobile USAと買収交渉中であることを認めている。
モスバーグ氏に2社(SprintとT-Mobile)はいずれも大きな赤字を抱えていることを指摘されると、「確かにネガティブ+ネガティブ=超ネガティブにしかならない」と笑いをとりながら、必要なのは規模であり、これは3カ月ではなく5~10年かけて取り組むべきことだと語った。
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