“家族・長期”がポイント――加藤社長が「ドコモ光パック」の狙いを説明:固定も移動もワンストップで(1/2 ページ)
ドコモが3月から開始する「ドコモ光」。モバイル通信とのセット割である「ドコモ光パック」にも注目が集まる。同社の加藤社長がドコモ光パック導入の狙いを説明した。
NTTドコモは1月29日、かねてから予告していた固定向けの光回線(FTTH)サービス「ドコモ光」を発表した。ドコモのスマートフォンや携帯電話と合わせて契約すると、モバイル通信のデータ料金を割り引く「ドコモ光パック」も提供する。
ドコモの加藤薫社長はドコモ光について、「ドコモが光回線を新しく提供するのは我々にとってエポック。その特徴は、“さらに”おトクなブロードバンドサービスであること、通信速度が最大1Gbpsであること、フレッツ光が利用できるISPに全て対応していること、そしてお申し込みからアフターサポートまでワンストップで提供できることの4つが挙げられる」と説明した。
ドコモ光パックの対象になるスマホ・ケータイは、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を契約している回線。月間5バイトまで利用できるデータMパックなら月800円、月間30Gバイトまでグループで利用できるシェアパック30なら月3200円の割引になる。また新規契約か番号ポータビリティ(MNP)でドコモに移行し、同時にドコモ光を契約した場合は、「光スマホ割」としてカケホーダイの基本料金を1年間半額(月額1350円)にする。申込期間は2016年3月末まで。さらに、すっとドコモ割やU25応援割も組み合わせられる。
こうしたドコモ光パックの割引額は、新料金の大容量プランになるほど手厚くなる。一方で従来の料金プランや、新料金でも月間2GバイトまでのデータSパックを利用している場合は、セット割の恩恵を受けられない。そのため本来は対象外のユーザーに向け、ドコモ光の契約から1年間、毎月500円を割り引く期間限定のキャンペーンも用意した。こちらの申し込み期間は8月末まで。
これまでNTTの光回線は、NTT東西の各地域会社が「フレッツ光」としてユーザーに直接販売し、インターネット接続サービスはISP各社が別に提供していた。2月からはNTT地域会社の光回線をISPに卸売りする「光コラボレーションモデル」が始まるため、ドコモもこの“光コラボ”を利用した固定向けブロードバンド事業に参入する。
光コラボはNTTの光回線を採用各社のブランドで販売できることに加え、ISP料金やビデオオンデマンド(VOD)などの付加価値サービス料金をまとめて請求できるのも特徴。ドコモもモバイルと固定の通信料をセット販売するだけでなく、PCや周辺機器のサポートなどもワンストップで提供し、光回線を使ってdビデオ/dアニメストア/dヒッツなどを自宅のテレビで視聴できる専用アダプターの提供も4月に予定している。
今後は光回線の帯域を生かし、4K画質に対応したライブ中継をユーザーが手軽に利用できるプラットフォームを提供したいという。また2020年には、さらに高精細な8K画質での映像配信が可能な映像プラットフォームの開発、FMCサービスの連携などを目指すとしている。
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