中国で本当に人気があるスマホとは何か? ランキングで見る各社の実力:山根康宏の中国携帯最新事情(3/3 ページ)
価格帯別に人気が細分化している中国のスマホ市場。販売台数だけでは分からない各社の本当の人気を、価格帯別に行った市場調査から分析してみよう。
SamsungのA7は金属ボディの高級感あふれるモデル。Samsungは2015年にラインアップの統廃合を行い、その中でデザイン・スタイルを強化したのがAシリーズだ。同社はここ数年、中低価格機の製品乱発で消費者離れを招いてしまったが、今や同価格帯にはAシリーズ、Eシリーズ、Jシリーズと複数のラインが質感や機能別に複数並ぶ。
アルファベットとそれに続く一桁の数字(高いほど高性能)で製品イメージがわくので消費者にとっても分かりやすい。今後はこのクラスの製品の巻き返しでシェア奪回を図りたいところだろう。
Xiaomiは同社のハイエンド、Mi NoteとMi4の両機種が入ったものの、ここでも9位10位と振るわない。他社製品との差別化が難しくなってきていることと、一般の消費者は同社のより安い紅米/RedMiシリーズに関心が移っているのかもしれない。とはいえ調査時点で3モデルのハイエンド機種のうち2モデルがどちらも入っているのはそれだけ実力があるからだ。
iPhoneよりも人気の製品は意外にもアレだった
China Mobileは10万円台の製品もある高価格帯について、トップ5のみを公表した。このレンジにはiPhone 6s/6s Plusの全モデルが属している。中国でもApple製品は熱狂的な人気を持ち、iPhone 6s/6s Plus発売日は国内のAppleストアが大いに賑わいを見せた。その人気もダントツで1位であることが予想される。
ところが、iPhoneで一番人気が高かったモデルはiPhone 6s Plusの2位。つまりiPhoneを超える人気のスマートフォンがあったのだ。そのモデルはHuaweiの「Mate 7」だ。
堂々の1位となったMate 7は、高級感ある金属ボディに左右のベゼルを薄くした6型フルHDのディスプレイを搭載、指紋認証にも対応するなど、2014年のモデルながら中国国内ではコンスタントに売れ続けているベストセラー機の1つなのだ。iPhone 6s Plus(5788元、11万1300円)と同じ大画面モデルながら、価格は3050元(約5万8650円)と約半額なのも人気の秘密だろう。
そして同じiPhoneでも6sは上位5位には入らず、iPhone 6(4888元、約9万3990円)が5位の座に。iPhoneを求める客のうち、大画面を買いたい人は最新モデルを、4.7型の小型画面が欲しいなら少しでも価格が安い方を、ということなのかもしれない。
他のモデルはSamsungの「Galaxy S6 edge」(6088元、11万7070円)が3位、プラスチックからガラス+金属ボディとし性能だけではなく質感も高めた結果が現れた格好だ。4位はOPPOの「N3」(3999元、約7万6900円)で、回転式の高画質カメラが受けているようだ。
今回公表された全25モデルの結果をまとめてみると、Huaweiが強く、OPPOとGioneeが意外と健闘、そしてXiaomiは予想よりも人気が低めだった。またiPhoneの結果も中国の消費者の嗜好が現れており面白い。顧客の声から見る中国市場の動き、今後の報告も興味深いものになりそうだ。
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