iPhone 7 Plusとの違いは?――「ZenFone 3 Zoom」のカメラを試す+「ZenFone AR」も:CES 2017(1/2 ページ)
ASUSがCES 2017で発表した「ZenFone 3 Zoom」は、iPhone 7 Plusと同様のデュアルカメラを採用している。7 Plusのカメラとは何が違うのだろうか?
ASUSは開催中のCESに合わせて、日本でも人気の「ZenFone 3」シリーズの最新モデル「ZenFone 3 Zoom」と、GoogleのTango、Daydreamに両対応した「ZenFone AR」を発表した。現地でいち早く実機に触れることができたので、詳細にレポートしたい。
「iPhone 7 Plus」にそっくりな「ZenFone 3 Zoom」
ZenFone 3 Zoomは5.5型、フルHDのAMOLEDディスプレイに、12Mピクセル×2の、「iPhone 7 Plus」に似た構造のデュアルレンズを搭載する。プロセッサはZenFone 3と同じSnapdragon 625に、ZenFone 3より多い4GBのメインメモリと128GBのストレージという構成。ディスプレイにAMOLEDが採用されているのは、ZenFone 3シリーズでは「ZenFone 3 Deluxe」とZenFone 3 Zoomだけだ。
ZenFone 3 Zoom最大の特徴はその名の通り、12倍までのデジタルズームに対応したカメラ。12MピクセルのデュアルカメラはiPhone 7 Plusと同じく一方が広角、もう一方が望遠となっていて、焦点距離は広角側が35mm換算25mmでF値は1.7、望遠側が同じく35mm換算59mmでF値は2.6となっている。なお、望遠側のF値はASUS公式のスペック表に記載がなく、実機でテストし確認した数値だ。
iPhone 7 Plusの焦点距離/F値は広角側が28mm/F1.8、望遠側が56mm/F2.8なので、ZenFone 3 Zoomの方が少しだけ広角、望遠で明るいということになる。実際、iPhone 7 Plusでは「1x」の表示をワンタップすることで「2x」に拡大できるが、ZenFone 3 Zoomでは同様にワンタップで「2.3x」に拡大可能。ワンタップした際、レンズをスイッチして拡大する仕様も同じ。また、必ずしもスイッチするわけではなく、状況に応じて広角側をズームして拡大するか、レンズを切り替えて拡大するかが、自動で選択される仕組みも同じだ。
なお、iPhone 7 Plusでは、広角と望遠のどちらのレンズを使って「2x」にするか、ユーザーが自由に選べない仕様だが、ZenFone 3 Zoomにはマニュアルモードが用意されていて、このマニュアルモードの状態でワンタップで拡大した場合は、必ず望遠側にスイッチする仕様になっている。
ワンタップで「2.3x」に拡大するほか、指をスライドする操作で1~12倍(「Phone 7 Plusでは最大10倍)のデジタルズームが可能。またiPhone 7 Plusの「ポートレートモード」に相当する、背景をボカしたポートレート撮影ができるモードも提供される予定だが、製品リリースと同時ではなく、あとからソフトウェアアップデートでモードを追加できるようになるという。iPhone 7 Plusでも「ポートレートモード」は、ソフトウェアアップデートで追加され、いまだβ版だが、こんなところまで非常によく似ている。
CESに合わせてプレス用に用意されていた一部テスト機には、「Depth of Field」というモードが搭載されていて、このモードで撮影すると撮影後に絞り値を変更して保存できるようになっていた。あくまでもテスト機のものであり、これがポートレートモードに該当するかどうかは不明だが、もし撮影後に絞り値を変更できる仕様になるとすれば、iPhone 7 Plusとの差別化のポイントになりそうだ。
ZenFone 3 Zoomではこのほか、サムスン電子の「Galaxy S7 edge」と同様の仕組みの「デュアルピクセルセンサー」を新たに採用。レーザーAF、像面位相差AF、コンティニュアスAFという3つのAF(オートフォーカス)を統合した、従来の「TriTechオートフォーカス」に「デュアルピクセルセンサー」を加えた、「TriTechプラスオートフォーカス」を搭載する。現地では残念ながら、暗所の撮影まではテストできなかったが、「Galaxy S 7 edge」と同様、薄暗いところでも高速なオートフォーカスが期待できそうだ。
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