中国シェア1位を誇るOPPOの最新モデルは「最強カメラスマホ」:山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)
OPPOは2017年6月9日、中国・深センで新製品発表会を開催し「R11」「R11 Plus」の2機種を発表した。デザインのブラッシュアップとカメラ機能を強化し、販売数のさらなる上乗せを狙っている。2機種のファーストインプレッションをお届けする。
中国のスマーフォンメーカーの新勢力として成長著しいOPPO(オッポ、広東欧珀移動通信)の2017年フラグシップモデルが発表された。今やHuaweiやAppleを抜き、中国シェア1位となったOPPOの新製品は、どのように進化したのだろうか?
OPPOは2017年6月9日、中国・深センで新製品発表会を開催し「R11」「R11 Plus」の2機種を発表した。デザインのブラッシュアップとカメラ機能を強化し、販売数のさらなる上乗せを狙っている。
スリムなボディーにデュアルカメラを搭載
OPPOのスマートフォンのフラグシップモデル「R」シリーズは2013年に初代「R1」を発売して以来、「R3」「R5」「R7」「R9」と毎年のように新モデルを投入している。各モデルの間には「R7s」のようなマイナーアップグレードモデルもあり、半年おきに上位機種が登場している。今回発表されたR11とR11 Plusは2017年最初となる最上位モデルであり、2016年秋に発売した「R9s」「R9s Plus」の後継機となる。
Rシリーズは現在OPPOのフラグシップモデルという位置付けだが、プロセッサはSnapdragonの600シリーズを採用しており、他社が採用する800シリーズは搭載していない。これは600シリーズでも十分な性能が引き出せると判断したためだが、価格を抑えるための戦略でもある。今回発表されたR11の価格は2999元(約4万8900円)であり、iPhoneなど他社のハイエンドモデルの約半額の価格を実現している。プロセッサだけを見ればミッド・ハイレンジモデルとなるだろうが、操作性やカメラ性能など総合的な使い勝手はiPhoneなどと比べても大きく劣るものではない。
R11とR11 Plusは基本性能が同等で、ディスプレイサイズなどに差異がある。共通スペックとして、プロセッサはSnapdragon 660(8コア 2.2GHz)、ストレージは64GBでmicroSDで拡張可能だ。ただしDSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)仕様で、SIM1枚+microSDまたはSIM 2枚の組み合わとなる。2機種の違いは、R11が5.5型フルHDディスプレイ、メインメモリ4GB、バッテリー3000mAh。R11 Plusは6型フルHDディスプレイ、メインメモリ6GB、バッテリー4000mAhとなる。
Snapdragon 660には2400万画素までの画像をシャッター遅延ゼロ、スムーズなズーム、高速ピント合わせを実現するISP(Image Signal Processor)である「Qualcomm Spectra 160 ISP」と、ハイレゾ画像を高速かつ低消費電力で処理できる「Qualcomm Hexagon Vector Extensions」を搭載しており、高性能な画像処理を行える。搭載するデュアルカメラは標準がF1.7の1600万画素、望遠がF2.6の2000万画素で、iPhone 7 Plusのようにワンタッチでのズームも可能だ。またインカメラはF2.0の2000万画素となる。
カメラは特にポートレート撮影時の美しさを強化しているという。インカメラではボケ撮影も可能で、ボケの度合いは手動でコントロールも可能だ。さらにインカメラには、最近のスマートフォンには欠かせない、女性ユーザーを意識したビューティーモードを搭載しており、静止画だけではなく動画撮影時も美顔効果をかけられる。
OPPOのスマートフォンのカメラ画質の良さはすでに前のモデルR9シリーズなどでユーザーから高い評価を受けているが、今回のR11シリーズではそれをさらに強化することで、より完璧な「カメラスマートフォン」を目指している。それでいて価格はミッド・ハイレンジクラスであれば、中国でシェア1位になるのもうなずけるだろう。
ちなみに中国の調査会社CINNO Researchの報告によると、2016年に中国国内で売れたスマートフォンの1位はOPPOのR9だった。OPPOは低価格な「A」シリーズも出しているが、最も売れたのは、より価格の高い2016年のフラグシップモデルだった。2位はAppleの「iPhone 6s」だが、販売数はR9の約半分だったという。さらには後継モデルの「R9s」が2017年1月の1カ月間だけで300万台も売れている。OPPOの強さは本物なのだ。
さて、R9シリーズからの大きな変更点は、カメラの強化以外に本体のデザインだ。特に断面形状がブラッシュアップされたR9の本体サイズは74.3(幅)153(高さ)× 6.6(奥行き)mm。一方、R11は74.8(幅)154.5(高さ)×6.8(奥行き)mmとわずかながら大型化している。だが背面から側面にかけてのカーブ形状や、ディスプレイとのつなぎ目部分のデザインを変更したことにより、R9よりもむしろ手にフィットして持ちやすくなった印象を受ける。
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