東京五輪に期待大! ドコモが提供する新しいスポーツ観戦の形とは?:Mobile World Congress 2018(1/2 ページ)
5GやARといった技術を使った分野で注目しておきたいのが、スポーツテック。2020年に控えている東京五輪は、最新のITや通信の技術を披露する場になりそうです。Mobile World Congress 2018のドコモブースで、その一端を見てきました。
NTTドコモは、スペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congress 2018でNTTグループと合同出展し、最新技術の展示を行いました。
5GやARといった技術を使った分野で注目したいのが、スポーツテック(スポーツ+テクノロジー)です。2020年は東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)というビッグイベントを控えており、ドコモブースでもスマートスタジアムやAR技術による新たな観戦体験の形が提案されていました。東京五輪で体験できるかもしれない、未来のスポーツ観戦のスタイルを一足先にのぞいてみましょう!
スマートスタジアムでリッチな観戦体験を
試合観戦中、「この選手の今季のゴール数はいくつだっけ?」「背番号●番の選手はどんな特徴の選手なんだろう?」とスマートフォンで検索しているうちに、肝心の得点シーンを見逃してしまった経験はあるのではないでしょうか。
「現在のセカンドスクリーンはスマホだけれど、せっかく会場にいるのなら生の試合シーンを見逃したくない」――そんなアプローチから始まったのが、ドコモとパナソニックが提供する新たなスポーツ観戦スタイル「高臨場感プレミアム空間演出ソリューション」です。
これはガラススクリーン越しに試合を観戦しながら、音声認識システムを使ってプロジェクターでスクリーンに選手データを投射させるというもの。ガラス越しに行われている生の試合から視線を外すことなく、選手の気になる情報を知ることができます。
映像は座席に備わるマイクを通して、「背番号●番の選手のスタッツ」などと声で指示します。スタッツの数値だけでなく動画にも対応しており、「背番号●番のビデオ」と伝えると、その選手のハイライト映像が投射されました。スマートグラスやスマートフォンが不要なAR映像を見ているような、ちょっとした近未来感があります。
今回のデモではサッカースタジアムでの利用を想定していましたが、同様のトライアルは既に札幌ドームでの日本ハムファイターズの試合で実施していています。担当者によると、野球にしろサッカーにしろ、放映権の問題から全客席への設置は難しく、VIPルーム限定での提供になるようです。回線は必ずしも5Gである必要はないため、早期の実現が期待できそうです。
また「将来的には試合を観戦しながら音声操作で食べ物を注文したり、利用者の購入履歴や好みに合わせた提案したりできるようにしたい」と意気込みます。しかし技術的には既に実現可能ではあるものの、ショッピングサービスや決済サービスなど各所との交渉が必要であり、その点が大きな課題といえます。
なお、このスマートスタジアム技術は、3月6日から27日まで渋谷に期間限定でオープンする「DAZN for docomo SPORTS LOUNGE」でも体験可能です。
5GとARでお気に入りの選手を追いかける!
「ジオスタ・スーパーフォーミュラ」は、ドコモがフジテレビと共同開発した、ARと5Gを活用した映像体感コンテンツです。スマートグラスやスマホのアプリ越しにジオラマをのぞくと、走行中の位置がリアルタイムでAR表示され、ドライバーの情報や順位、車載映像などを切り替えながら見られます。
スーパーフォーミュラに限らず、スポーツ中継の多くは注目選手や先頭グループを映すことが多く、自分で視点を自由に切り替えられません。「今いいところだったのに!」とジレンマを抱えつつ視聴することもしばしばです。
しかしジオスタであれば、スマートグラスやスマホで見たい方向を向けば、自由に好きな視点に切り替えられます。ジオラマの上にはARでリアルタイムの順位がふわふわ浮いて表示されていたり、好きな選手をタップすると選手情報や車載カメラの映像を見られたりと、既存のテレビ中継以上の情報量です。
しかしモータースポーツのように1分1秒を争う競技であれば、いかに遅延なくリアルタイムで戦況をチェックできるかが重要になります。そこで通信は大容量低遅延の5Gを活用。ジオスタは5G時代ならではの新たなスポーツ観戦体験として期待されています。
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