SIMを差し替えなくてOK 世界中で通信できるスマホ「jetfon」登場 1日300MBで380円~【更新】
MAYA SYSTEMが、新型スマートフォン「jetfon」を発表。「クラウドSIM」に対応しており、SIMを差し替えずに世界中で通信が可能。料金は1日当たり300MBが380円から。
MAYA SYSTEMが7月17日、海外での利用を想定したSIMロックフリースマートフォン「jetfon」を発表。8月1日にECサイトや家電量販店などで予約を開始し、同月中に発売する。価格は3万9800円(税別)。
jetfonは、中国のuCloudlinkが開発した「クラウドSIM」の技術を搭載している。現地に到着して電源を入れると、各国キャリアのプロファイルが自動でスマートフォンに転送されるので、SIMカードを入れ替えることなく、世界100カ国以上で通信ができる。現地のキャリアと直接接続するので、MAYA SYSTEMは「高品質な通信が可能」としている。クラウドSIMはMAYA SYSTEMが販売しているWi-Fiルーター「jetfi」にも使われており、jetfonにも同じ技術を活用している。
nanoSIM用のスロットが2つあり、LTEと3GのデュアルSIM、デュアルスタンバイにも対応しており、普段使っているSIMで通信することもできる。日本ではNTTドコモとソフトバンクのSIMを利用でき、KDDI回線のSIMは、後日提供されるソフトウェアアップデートによって利用可能になる予定。
1日当たり300MB、7日当たり1GB、30日当たり3GBのプランを用意。料金は地域によって異なり、300MBの場合、アジアが380円~、欧州、北米、南米、オセアニアが580円~、アフリカが680円~(いずれも非課税)。同じ地域でも、国によって料金が異なる場合がある。月額の基本料金は発生せず、使うときだけ、アプリから事前にプランを購入する形だが、プラン購入時はWi-Fiやモバイル回線などのネットワークに接続している必要がある。支払いはVisa、MasterCard、JCBブランドのクレジットカードと、PayPalに対応する。
欧州向けに周遊プランも用意しており、料金は1GB/7日が1880円、3GB/30日が3980円。今後はアジア周遊とグローバル周遊のプランも提供する予定。中国向けには「VPNプラン」も別途用意しており、Google、LINE、Facebook、Twitterなどのサービスが使えるようになる。
1日プランのみ、データ容量を使い切った後も256kbpsで通信は可能で、追加で購入もできる。7日と30日のプランは、データ容量を使い切ったら、次に購入するまで通信不能になる。その後もチャージは可能だが、使い切った後はクラウドSIMのモバイル回線は使えないので、Wi-Fiに接続するなどの対応が必要。
なお、日本でもクラウドSIM経由でNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのネットワークに接続可能。その場合、アジア向けと同じ料金が適用されるが、日本のみ消費税が加算される。1日300円(税別)から使えるので、バックアップ用に使うのも有効だろう。
クラウドSIMはキャリアの回線を用いた音声通話には対応していないため、通話をするには、対応するSIMを使うか、IP電話などを使う必要がある。
スマートフォン自体は、uCloudlinkが海外で販売しているものがベースになっている。カラーはグラファイトブラック、シャンパンゴールドの2色。OSはAndroid 7.1で、サイズは76(幅)×154(高さ)×7.9(奥行き)mm、重量は180g。
ディスプレイは5.5型フルHD(1080×1920ピクセル)のIPS液晶で、その下に指紋センサーを搭載。プロセッサはQualcomm Snapdragon 652、メインメモリは4GB、内蔵ストレージは64GB。microSDスロットも搭載しているが、nanoSIMの1枚と排他利用となる。バッテリー容量は2900mAh。カメラはアウトが1300万画素、インが800万画素。緊急地震速報(Jアラート含む)にも対応している。
対応周波数はFDD-LTEがBand 1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、18、19、20、25、26、28、TD-LTEがBand 38、39、40、41。端末の通信速度(理論値)は下りが最大150Mbps、上りが最大50Mbps。
【更新:2018年7月17日14時5分 詳細を追記し、画像を追加しました 】
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