iOS 12(β版)を試す スマホ依存を防ぐ機能が便利 「ミー文字」は改善の余地あり(2/2 ページ)
待ちに待った新iPhoneの発表まであとわずか。スケジュールが例年通りであれば、発表から発売の間には、iOS 12の配信も始まるはずだ。ここでは、iOS 12の特徴を改めて振り返っておきたい。
純正アプリも進化
純正アプリという観点では、iPhoneをボイスレコーダーとして使える「ボイスメモ」も進化した。アプリを起動してみると分かるが、ユーザーインタフェースが刷新されている。ボタンを押すと録音が始まるのは同じだが、ファイル名に場所の名前が自動で付くなど、細かな改善も見られる。設定を見ると分かるが、オーディオ品質の選択も可能になっており、標準の「非可逆圧縮」の他、音質のいい「ロスレス圧縮」も選べるようになった。
ボイスメモについては、iCloud経由での同期にも対応している。これをオンにしておけば、自動でMacやiPadとボイスメモのファイルを同期できる。もともとiPhone用アプリとして始まったボイスメモだが、iOS 12ではiPadにも対応。同時期にアップデートが提供されるとみられるmacOS Mojaveもボイスメモがスタートする。
「写真」にも新たに「For You」タブができており、「メモリー」やエフェクトの提案、ポートレートライティングの提案などをしてくれる。また、同じ場所にいた人に「共有しませんか」という提案もされるという。残念ながらiOS 12をインストールしてから他人と一緒に写真を撮っていないので、まだこの機能の真価は試せていないが、便利になったことは間違いない。
アニ文字にミー文字が加わり、自分の分身を作れるように
iPhone Xでは、アニ文字に舌を出す動作が加わった他、自らの分身を作成できる「ミー文字」にも対応している。Galaxy S9、S9+にもカメラで撮った自分自身をスタンプ化する「AR絵文字」があるが、iPhoneのミー文字はユーザーがパーツを選んでいく必要がある。AR絵文字よりも手間がかかる半面、似ていないという不満も少なくなるというわけだ。
ミー文字を作成するには、まずメッセージアプリを呼び出し、アニ文字を表示させる。アニ文字を右方向にスワイプすると、「新しいミー文字」という項目が出現するので、ここから作成していけばよい。実際に作ってみると分かるが、肌の色であれば“そばかす”の有無が選べたり、ヘアスタイルが多彩に用意されていたり、もみあげやひげを選択できたりと、カスタマイズのパターンは実に多彩だ。
これらをうまく組み合わせていけば、ある程度自分に似せたミー文字を作れるはずだ。ただし、本気で作ろうと思うと、組み合わせが多彩なため、やはり時間がかかる。ある程度顔を読み取って自動作成をしたうえで修正するような仕組みでもいいのではと感じたが、これは今後のアップデートに期待したいところだ。
作成したミー文字はアニ文字の選択肢の1つに入り、iMessageで送信できる。また、FaceTimeで自分の顔の代わりにアニ文字やミー文字を使うことも可能だ。なるべく自分の顔を出して応答したいが、部屋の中で髪の毛をセットしていなかったり、メークしていなかったりするときにはミー文字を使うといいかもしれない。ちなみに、iOS 12では最大32人のグループFaceTimeにも対応している。
他にも、注目の新機能としてパブリックβでは利用できないSiriのショートカット(特定の音声コマンドでアプリを呼び出す機能)がある。これは、iOS 12の正式版では、アプリとしてダウンロードする形で対応する予定だ。現時点では試せていないが、さまざまな動作を自動化できる機能として、注目しておきたい。
冒頭で挙げたように、動作の高速化など、地味ながらユーザーのメリットになるアップデートも多いため、iOS 12の配信が始まったらぜひインストールしておきたい。
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