UQが“WiMAX 2+と格安SIMのセット割”に踏み込んだ理由 野坂章雄社長が語る:石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)
UQコミュニケーションズが、UQ mobileとWiMAX 2+対応Wi-Fiルーターのセット割「ギガMAX月割」を開始する。UQコミュニケーションズの野坂章雄社長は、金額ではなく「割引があることが重要」だと話す。ユーザー層も変わってきているという。
「おてがるスマホ01」で足りないピースを埋め、家族丸ごとを狙う
こうした戦略に沿う形で、UQコミュニケーションズは、初心者向けをうたう「おてがるスマホ01」をUQ mobileのラインアップに加えた。このモデルは、アイコンがパネル状に並んだホーム画面を採用しており、コールセンターにもワンタップでつながる。通知も画面上部から引き出すのではなく、画面上のアイコンをタップして見られるようにした。
おてがるスマホ01を春モデルとしてラインアップに加えたのは、「家族を考えたとき、シニア向けの端末がないのは明確だった」ためだ。フィーチャーフォンを使うユーザーを取り込んでいくためには、一般的なスマートフォンに搭載されるアイコンや文字が多くなるモードでは足りず、「ガラケー時代のイメージで使えるものが必要」になるという。
UQ mobileの主力となっているメーカーは「AppleとHuawei、シャープで、この3つが定番」だというが、ユーザー数が増え、年代層にも広がりが出ると、やはり3メーカーの端末だけでは全てのニーズに応えきれない。おてがるスマホ01とは逆に、2018年1月にはトレンドやコストに敏感な層に向けた、OPPOの「R17 Neo」を導入したが、これも「評判がよく、出始めの雰囲気で分かるがいい線にきている」という。
徐々にシェアを拡大し、UQ WiMAXでも新たなニーズを掘り起こしつつあるUQコミュニケーションズだが、auのサブブランドとして見られることもあり、総務省の有識者会議などでは、他のMVNOからの風当たりも強い。UQ mobileの通信速度が混雑しがちなお昼時でも速いこともやり玉にあがり、親会社からの「ミルク補給があるのでは」との疑惑もかけられた。
こうした声に対し、野坂氏は「ちゃんとL2接続の料金は払っている。安かろう悪かろうではよくないので、品質は落とさないというのは最初から言い続けていること」と反論する。ただ、今の有識者会議の論調を見る限り、第二種電気通信事業者に指定される恐れもあり、規制は強化される方向にある。
端末の販売方法も、変更を余儀なくされそうだ。総務省の緊急提言で導入が確実視される分離プランについては、「何かあれば動く」姿勢だ。「お客さまにとって何がいいのかは、政府も含めてもっと議論すべきだが、そこで分離プランがいいとなれば分離でやっていく」といい、Y!mobileと同様、回線契約にひもづく端末値引きをやめ、料金そのものを値下げする可能性は高い。端末販売はユーザー獲得のフックになるだけに、ユーザー数の伸びが緩やかになるリスクもありそうだ。
関連記事
UQ mobileとWiMAX 2+の契約で月300円を割り引く「ギガMAX月割」 3月1日から
UQコミュニケーションズが、UQ mobileとWiMAX 2+を契約すると、毎月300円を割り引くサービスを発表。3月1日から申し込みを受け付ける。既存ユーザーにも適用される。「ギガの壁」を超えなかったが「家の壁」は超えたWiMAX 2+
UQコミュニケーションズが、新型のWiMAX 2+ルーターを2機種発表しました。下り通信での「ギガの壁」は超えられなかったものの、今までの機種よりも電波強度が強くなったことで「家の壁」を超えられる可能性が高まりました。UQ mobile、月額基本料金が最大5カ月無料の「ファミゼロ学割」開始 データ増量オプションも無料に
UQ mobileが2018年~2019年シーズンの学割プログラムを開始。18歳以下のユーザーとその家族が新規またはMNPで「おしゃべりプラン」「ぴったりプラン」のいずれかを契約すると、月額基本料金が最大で3カ月(新中高生は5カ月)無料となる他、18歳以下のユーザーについては「増量オプション」の月額オプション料が次回の機種変更まで免除される。スマホは“コスパ”重視、WiMAX 2+と合わせ「ウルトラギガMAX」で攻めるUQ
UQコミュニケーションズが、2018年秋冬商戦の新製品を発表。スマートフォンはミッドレンジが中心で、コストパフォーマンスを重視した。大容量のデータ通信が可能なWiMAX 2+と合わせて「ウルトラギガMAX」というワードを訴求していく。店頭では聞けない? Y!mobileとUQ mobileの意外な違い
ソフトバンクとKDDIのサブブランドとして通信サービスを提供している「Y!mobile」と「UQ mobile」。実際に契約してみると、意外な違いがある。料金プランやオプションサービスなどを中心に紹介したい。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.