新小型スマホ「AQUOS R2 compact」レビュー 片手操作やダブルノッチは快適?(2/3 ページ)
シャープの「AQUOS R2 compact」は、現行モデルでは貴重な小型スマホ。しかもスペックも妥協しておらず、ハイエンドプロセッサを搭載する。一方で、使い込むほど不満点も浮かび上がった。
カメラもハイエンドAQUOS並み、AIや光学式手ブレ補正に対応
アウトカメラは広角22mmの2260万画素で、光学式手ブレ補正やシーン認識のAIオートにも対応する。AQUOS R2やAQUOS zeroのカメラと同等の仕様だ。インカメラは800万画素だが、背景ぼかしや美肌補正に対応。両カメラともやや薄暗い室内でも撮れるだけの高感度性能を持っている。
逆に短所も他のAQUOSとほぼ共通している。アウトカメラは流行の高品質な夜景撮影モードを持っていない。シングルカメラだからか、背景ぼかしを使えない。また、インカメラのぼかしや美肌設定が細かく設定できるのはいいが、シンプルさに欠ける。とはいえ、ハイエンド機として画質はトップクラスとはいえないが十分だといえる。
ユーザビリティへの工夫も
あえてコンパクトスマホを選ぶ人にとって重要なのは、普段のロック解除やメニュー操作の快適さだ。AQUOS R2 compactは、これらにもこだわって設計されている。
まず設定を確認しておきたいのが、画面の指紋認証センサーだ。スリープやセキュリティロックの解除に加えて、「AQUOS便利機能」で設定すると普段の操作時のホームボタンとしても利用できる。指紋認証センサー付きのiPhoneとほぼ同じ感覚でロック解除やホームボタン表示ができると考えていい。
もちろん、画面前面に指紋認証センサーがあるので、机の上に置いた状態でも指でセンサーをタッチするだけでロックを解除してすぐに着信内容の確認やアプリを操作でき便利だ。この他、顔認証も設定しておくとより便利に使えるだろう。
普段のメニュー操作は、Android 9.0で新たに採用されたホームボタンの上スワイプで履歴表示するタイプと、従来のAndroidと同じ画面下部に「戻る」「ホーム」「履歴」ボタンが並ぶタイプのどちらかを選べる。設定の変更は「設定」→「システム」→「操作」→「ホームボタンを上にスワイプ」から。
また、「AQUOS便利機能」の指紋認証センサーの設定から、画面下部のソフトキー(ナビゲーションバー)を表示するか、普段は隠しておくかを設定できる。ソフトキーを隠したうえで左右スワイプ操作による「戻る」「履歴」操作を有効にしておくと、画面の表示面積をより広くできて便利だ。
ただ、ソフトキーを隠したとしても、ギャラリーを除くほとんどのアプリは上下ダブルノッチの部分を含めた全画面表示に対応していない。対応していたとしても、Googleマップが上部ノッチに対応しているなどごく一部で、下部ノッチ部の表示に対応したアプリはほぼない。このため、ソフトキーを隠しても、どうしてもノッチ部分はムダな領域になってしまう。
細かい点だが、せっかくのダブルノッチ構造もこれではあまり意味がなく興ざめする。この点については、一部の他社スマホで搭載されているような選択制の強制全画面表示機能も搭載してほしかった。特にマップやSNSなどスクロールの多いアプリや、PUBG MOBILEなどTPS(サードパーソン・シューティングゲーム)やFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)は全画面で表示できた方が若干だが快適だからだ。
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