「ハリー・ポッター:魔法同盟」に見る「ポケモンGO」「Ingress」からの進化(1/2 ページ)
ナイアンティックが2019年の配信を予定している「ハリー・ポッター:魔法同盟」。これまでのリアルワールドゲーム開発の経験を踏まえ、どのような戦略で開発されたのか。米サンフランシスコのナイアンティック本社で一足先にプレイした。
ナイアンティックが2019年の配信を予定しているPortkey Gamesレーベルのゲームのタイトルが、「ハリー・ポッター:魔法同盟」に決定した。これまでのリアルワールドゲーム開発の経験を踏まえ、どのような考えの下に開発され、どのような進化を遂げているのだろうか。
ハリー・ポッターの世界が舞台の新たなARゲーム
大ブームを巻き起こした「Pokemon GO(以下、ポケモンGO)」や、アニメの放映などで今なお根強い人気を誇る「Ingress」など、位置情報と拡張現実(AR)技術を活用したスマートフォン向けのリアルワールドゲームを提供している米ナイアンティック。そのナイアンティックが次に手掛ける新作タイトルとして、大きな注目を集めているのがハリー・ポッター:魔法同盟だ。
これはその名前の通り、J・K・ローリング原作の「ハリー・ポッター」や、その映画のスピンオフ作品である「ファンタスティック・ビースト」などの舞台となっている、「Wizarding World」を舞台としたリアルワールドゲーム。Statute of Secrecy(国際機密保持法特別部隊、SOS)の一員となって「大災厄」の謎を解決するために活動するというもので、現実世界とリンクしさまざまな場所を訪れながらプレイするゲームとなる。
ハリー・ポッター:魔法同盟は、ナイアンティックとワーナー・ブラザーズ インタラクティブ・エンタテインメントの一部門であるWB Games San Franciscoが共同で開発し、Portkey Gamesレーベルのゲームとして2019年にナイアンティックが配信する予定であることが発表されている。既に事前登録も開始しているが、具体的なゲームの内容についてはまだ明らかにされていなかった。
2019年中の配信を予定している「ハリー・ポッター:魔法同盟」(英題:Harry Potter Wizards Unite)。ナイアンティックとWB Games San Franciscoが共同開発したゲームだ
だが両社は今回、米国・サンフランシスコのナイアンティック本社で、一部メディア向けにハリー・ポッター:魔法同盟の体験イベントを実施。その中では、これまでの経験をもとに開発されたハリー・ポッター:魔法同盟が、従来のリアルワールドゲームと比べどのような進化を遂げているのか、関係者から話を聞くことができた。
世界中にある魔法の痕跡を探索、仲間との協力バトルも
まずはゲーム内容を簡単に説明しておこう。このゲームでは先に触れた通り、プレイヤーが国際機密保持法特別部隊の一員となり、「大災厄」を阻止するため、魔法力を持たない人間「マグル」に魔法界の存在が知られないよう、その痕跡を消していくというものだ。
ゲームを起動すると、IngressやポケモンGO等と同様、現実世界とリンクした地図が現れ、その上に魔法の痕跡が現れる。これをタップするとハリー・ポッターやファンタスティック・ビーストなどに登場する魔法界のキャラクターやモンスターなどが現れるので、指定された軌跡の通りにつえを振る(スマートフォン上に表示された軌跡を指でなぞる)ことでそれを消したり、倒したりしていくと、「レジストリ」にそのキャラクターが保存されていく仕組みだ。
実際にプレイしてみると、ポケモンGOでいう所の「マップ上のモンスターをタップし、モンスターボールを投げて捕まえる」のに近い印象だ。より詳しい人ならば、それにIngressの「グリフハック」が組み合わさったような内容といえば分かりやすいだろうか。
もう1つの特徴が、グループによるバトルができる「Wizarding Challenges」。これは地図上にある「とりで」に最大5人のプレイヤーが集まり、「デスイーター」「ウェアウルフ」などの敵を全員で協力し、倒していくというもの。各プレイヤーの動きが同期しての協力プレイが楽しめるようになっている。
他にも「宿」でフード、「温室」でアイテムを集めて「ポーション」を生成し、痕跡を消したり敵と戦ったりする際にそれを使うことでゲームを優位に進められる仕組みや、3つの職業から1つを選び、ゲームを進めてロックを解除していくことで新たなスキルを身に付けられる仕組みなど、やり込み要素が多いのも特徴だ。
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