「健康保険証で良いじゃないですか」──政治家ポストにマイナ保険証派が“猛反論”した理由(1/2 ページ)
12月1日に従来の健康保険証が原則廃止され、マイナ保険証か資格確認書の提示が必要になった。ただし現行の保険証も2026年3月末までは使用可能で、政府は医療機関へ周知し混乱回避を図っている。一方で社民党・福島党首の「取得は任意」とする投稿を機に、SNS上では健康保険証とマイナ保険証を巡る議論が交わされている。
2025年12月1日、長年利用されてきた健康保険証がいよいよ有効期限を迎えた。2日以降は、これまでと同じ自己負担率で保険診療を受けるために、原則として健康保険証とマイナンバーカードを一本化した「マイナ保険証」か、医療保険者が発行する資格確認書を提示する必要がある。
ただし、保険証が突然使えなくなるわけではなく、政府は2026年3月末までの利用を暫定的に認めており、期限切れの保険証を持参しても従来通りの自己負担割合で受診できる仕組みが整えられている。厚生労働省は医療機関や薬局に対し周知を進め、混乱を避ける体制を整えているという。
実際にマイナ保険証として利用するには、段階的な手続きが必要だ。まずはマイナンバーカード本体を申請し、作成する。次に、そのカードを健康保険証として利用するための登録申請を行う。最後に、医療機関や薬局の窓口でマイナンバーカードを用いて受付を済ませる。この手順を踏むことで、従来通りの保険診療が可能となる(出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用方法」)
健康保険証を巡る議論が活発に
健康保険証の有効期限切れをきっかけに、SNSではこの問題を巡る議論が活発化している。その発端となったのが、社民党の福島みずほ党首による投稿だ。福島氏は、健康保険証の存続を求める集会(健康保険証復活させてくださいという集会)に参加したことを報告し、マイナンバーカードの取得は任意であり、マイナ保険証の利用は強制できないと主張し、「健康保険証で良いじゃないですか」と締め括った。この投稿にはさまざまな意見が寄せられ、健康保険証とマイナ保険証を巡る議論が交わされている。
直接賛同する意見は反対意見に比べて少ないが、「本人確認ができ、偽造が不可能であれば、媒体は紙でも構わないと思います」「既存の保険証を使いたいお気持ちも理解できます」との意見が見られた。
発端は社民党・福島みずほ党首の投稿だ。同氏は保険証の存続を求める集会に参加し、「マイナンバーカードの取得は任意であり、マイナ保険証の利用は強制できない」と主張。廃止反対の立場を改めて強調したが、この発言を巡りネット上で波紋が広がっている
健康保険証を用いた「本人確認の脆弱さ」が指摘される
従来の健康保険証に対し、SNS上で数多くの人が指摘したのが本人確認の脆弱さだ。健康保険証にはICチップがないため、確認手段は目視に頼らざるを得ない。そのため、券面が精巧に偽造されてしまえば、目視だけでその真贋を見抜くことは極めて困難だ。
「保険証に顔写真を搭載すべき」という意見もあるが、目視確認に限界がある以上、なりすましを完全には防げない。結果として高度な偽造防止技術やICチップが必要となり、マイナンバーカードと同等のスペックが求められる帰結となる。
「顔写真やICチップに加え、指紋認証などで厳格に本人確認ができる健康保険証なら良いかもしれません」との意見も見られるが、「そこまで手間をかけるのであれば最初からマイナンバーカードで良いのでは?」という意見に行きついてしまう。健康保険証に顔写真を付ける案は結論としてマイナンバーカードにたどり着き、堂々巡りになり得る。
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