全容が見えた「au PAY」 競合サービスにはない特長とは?(2/2 ページ)
コード決済「au PAY」が4月9日にスタートする。競合の「○○ペイ」にはない強みはどこにあるのか? 既に物理カードの決済サービスや非接触決済サービスを提供しているKDDIが、なぜコード決済を提供するのか?
ポイントの価値を上げる施策も
ポイントの価値を上げる取り組みも、他の決済サービスにはないものだ。東海林氏は「1P>1円」と説明し、ポイントのレートを可変にすると説明。通常、au WALLET ポイントは「1ポイントあたり1円」に相当するが、1ポイントに1円を超える価値を持たせることで、よりお得にau PAYを使える。
4月15日から4月30日まで実施する、au WALLET ポイントからチャージをすると10%増量するキャンペーンは、その第1弾といえるもの。例えば1000ポイントをチャージすると1100円がたまるので、この場合はポイントの価値が100円上がるというわけだ。
「ためる」だけでなく、ポイントをお得に「使える」施策も進めていく。まだ具体的に決まったわけではないが、例えば、1GBのデータをチャージするには1000円かかるところ、これを1000ポイント未満でチャージできるような内容をイメージしている。Wowma!でもポイントレートを変更し、より少ないポイントで買い物ができる施策も視野に入れている。
ポイントの価値を上げることが、冒頭に出た、埋蔵ポイントを使ってもらう動機付けの1つになりそうだ。
勝算はどこにある?
コード決済では後発となったau PAYだが、「勝算は2つある」と中井氏は言う。1つは、アプリをインストールしてチャージをすればすぐに使えるシンプルさ。もう1つが1000億円強ものポイント+残高があること。残高があればチャージは不要なので、こうしたハードルの低さは秀でている部分だとした。
加盟店開拓については、自社の営業アセットを活用することに加え、楽天ペイやメルペイなど、他社との協業も積極的に進めていく。これらのリソースを活用することで、「十分戦っていける」と中井氏は自信を見せた。ちなみにau PAYが使える加盟店の数は公表していないが、au PAYとQUICPayを合わせた店舗数は、2019年度早々に100万箇所以上まで増やすことを目指している。
店舗側は、無料で配布される「au PAY for BIZ」アプリを使って決済ができる。初期費用は無償で、決済手数料は2021年7月31日までは無料なので、タブレットやスマホさえあれば、無料でau PAYを導入できる
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