「意地悪な条件は付けていない」 NTTドコモに聞く、新料金プランの疑問点(3/4 ページ)
ドコモは6月1日に導入する新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を発表した。シンプル化と同時に、料金水準を最大で4割値下げし、競争力を強化するのがプラン改定の狙いだ。一方で値下げが実感できないという声もある。ドコモ担当者に疑問をぶつけた。
「ずっとドコモ割」をなくした理由
―― 割引について、「ずっとドコモ割」がなくなり、誕生月のポイント還元になりましたが、付与されるポイントは減っています。長期利用者優遇の色合いが薄くなった印象ですが、いかがでしょうか。
大橋氏 これは、伝え方が悪かったと反省しているところです。新旧比較の際に使った現行プランの料金は、プラチナステージで、割引が最大になっているもので、値下げはそこを基準にしています。年数に応じて割引額が異なるというのが何種類もあると、分かりにくさにつながります。それよりも、基本となるプランを下げることで、お得を実感していただきたい思いがありました。
他方で、長く契約していただいている方に何もないのかということはあるので、お誕生月にポイントを差し上げる形にしました。
横内氏 加えて、新しいdポイントのプログラムを始めます。プラチナステージの方は、デフォルトで還元率が1%プラスになります。長期利用者の優遇という観点では、新しい軸も設けています。長く、たくさんご利用いただいている方に、より多くのポイントを差し上げるというコンセプトです。これは一時的なキャンペーンではなく、プログラムで当面の終了期間は定めていません。
ギガライトは、段階ごとに容量制限を掛けられない
―― ちなみに、ギガライトは使える容量をユーザー側が制限をかけることはできるのでしょうか。できないと、子どもに持たせたら予想以上に使ってしまったという事態も起こりそうですが、いかがですか。
大橋氏 (苦笑しながら)もうじきステップが上がるということはご連絡しますが、保護者の方が制限をかける機能はありません。ですから、利用状況によっては、ステップが上ってしまうこともありえます。
―― 端末側で制限をかけるしかないということでしょうか。
大橋氏 Androidであれば、デバイス側で設定ができますが、現状ではネットワーク側にそのような機能の用意がありません。そういった声がどのぐらいあるかによって、検討していくことになると思います。
官房長官の発言は「関係ない」
―― 今回の新料金プランですが、政府や行政の意向はどの程度意識したものなのでしょうか。
大橋氏 オープンな場で、官房長官がそういった発言(4割下げる余地がある、など)をされているのは承知していますが、料金の見直しとの直接的な関係はありません。分かりにくい、お得さがないという声に真摯(しんし)に向き合ってやっていこうと、会社として決めたことです。ですから、関係はないといえます。値下げについては、総務省の緊急提言の前に「やります」と申し上げています。
―― 料金プランが横並びという批判も根強くあると思います。今までは、ドコモだけ大きく料金体系が違っていましたが、大きく2本柱の新料金プランは、他社と同じです。料金プランの個性に関しては、どのようにお考えでしょうか。
大橋氏 ギガホは容量超過後の速度を1Mbpsにしていますし、みんなドコモ割もかなり幅広く適用されます。光セット割に関しても、ファミリー割引グループの中で、どなたか1人でも加入している方がいれば対象になります。確かに見た目上は似ているかもしれませんが、ディテールでかなり特色は出せていると自負しています。かなりマジメにやっているつもりで、(割引に)意地悪な条件も付けていません。
―― ギガライトは、2GBごとに1000円上がる仕組みですが、容量超過後は1GBで1000円です。また、ギガホとはGB単価が異なります。総務省の有識者会議では、ここを統一してほしいという声もありましたが、いかがでしょうか。
大橋氏 考え方として、ギガホはあらかじめたくさん使うことを約束していただいている方のために、GB単価を抑えています。ギガライトは2GBごとと、等間隔で料金が上っていくようにしました。その意味で、ご指摘の点は十分満たせていると考えています。
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