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Huaweiのスマートフォンにも対応する独自OS「HarmonyOS」、初製品はスマートTV

Huaweiがうわさされていた独自OS「HarmonyOS(中国では「鴻蒙」)」を発表した。搭載製品第一弾はスマートテレビ「HONOR Vision」。スマートフォンにも搭載可能だが、具体的な計画は不明だ。

 中国Huaweiは8月9日(現地時間)、広東省東莞で開催の開発者会議「HDC.2019」で、独自OS「Harmony OS(中国では「鴻蒙」)」を発表した。IoTやスマートフォン、PCなど、様々なデバイスに柔軟に対応するOSという。


HarmonyOSを発表するHuawei Mobileのリチャード・ユーCEO

 Huawei Mobileのリチャード・ユーCEOは、HarmonyOSを世界初の「マイクロカーネルOS」と紹介した。米Googleの「Fuchsia」について、「GoogleもマイクロカーネルOSを開発しているが、まだ実現していない」と言及した。

 ユー氏は、これからのOSに求められるのは、IoTや車、スマートフォンなど、様々なデバイスに柔軟に対応することだが、LinuxベースのiOSやAndroidは膨大な量のコードで構成されており、それが難しいと説明。マイクロカーネルベースのHarmonyOSは柔軟に展開できると語った。

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 また、マイクロカーネルは基本的なサービスのみを提供し、ほとんどのシステムはユーザー空間で実装されるので、セキュリティも向上するという。

 シンプルなプロトコルで分散仮想バスを使うので、理論的には、パフォーマンスもLinuxベースのOSより優れているとも説明した。

 ユー氏が紹介したHarmonyOSの年表で、Huaweiがうわさ通り2017年から同OSを開発していたことが明らかになった。また、この年表でHarmonyOS搭載デバイスとして、2020年にはPC、スマートウォッチ、車載システムが、2021年にはスピーカーとヘッドフォンが、2022年以降はVRメガネや“その他の機器”が登場すると予告している。


HarmonyOS年表

 年表にはスマートフォンはないが、プレゼン画像のエコシステムにはスマートフォンのようなアイコンも何度も登場しており、Android開発者向けに移植ツールの提供もするとしているので、HarmonyOS搭載スマートフォンも想定していると考えていいだろう。


HarmonyOS向けアプリ開発にはC/++、Java、JavaScript、Kotlinなどが使える

 Huaweiは翌10日、HarmonyOS搭載デバイスの第一弾として、スマートフォンブランドのHONORを冠したスマートテレビ「HONOR Vision」を発表した。中国で15日に発売する。価格は3799中国元(約5万7000円)から。


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