Huaweiと真っ向勝負のOPPO 「Reno」の投入で“カメラと技術”をアピール:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
ハイブリッド10倍ズーム対応のカメラを搭載した「Reno 10x Zoom」や、同モデルの5G版「Reno 5G」をいち早く投入するなど、OPPOの動きが活発だ。OPPOはRenoシリーズで、ライバルのHuaweiに真っ向勝負を挑む。ディスプレイ埋め込みのインカメラや、滝のように流れるディスプレイにも注目だ。
業界を一歩リードする技術も開発
Reno 10x ZoomとReno 5Gは他社のフラグシップモデルと並べても全くそん色のない製品といえる。しかしOPPOはそれだけではなく、2020年以降を見据えた新しい技術の開発にも積極的だ。ディスプレイを曲げられる折りたたみスマートフォンではHuaweiに出遅れたものの、他の技術では業界を一歩リードする新しい技術を次々と開発している。
2019年6月に発表されたディスプレイ埋め込み型のインカメラは、5G時代のスマートフォンに必須の技術になるかもしれない。5Gの高速・大容量・低遅延ネットワークはスマートフォンでの動画利用を当たり前のものとし、スマートフォンの画面には常に動画が流れている、そんなユーザー体験を提供しようとしている。
そうなると、スマートフォンのディスプレイは全画面が表示エリアになるべきであり、インカメラは邪魔な存在になる。現状のポップアップカメラや本体スライド式によるインカメラでは、顔認識の際もカメラを動かす必要がありレスポンスも遅れる。しかしディスプレイに内蔵されれば常に全画面表示を可能にしつつ、顔認識も即座に反応できるのだ。
また7月末に発表した「Waterfall Screen」はSamsungが開発したエッジディスプレイをさらに進化させたもの。側面のボタンレス化に加え、画面表示をその名の通り「滝のように」スクロールできるようになるだろう。
側面が表示エリアであれば誤タッチが心配、という声が多く聞かれるが、そもそもタッチミスが起きるようなディスプレイをOPPOが開発するはずがない。側面のタッチ状態により握っている状態を認識するシステムが搭載されているのだろう。そして左右に画面をスワイプすると、側面からまるで巻物のように画面が左右にスクロールされて出てくる、という表示体験が得られるに違いない。
さらには、スマートウォッチでも折りたたみとロールディスプレイを搭載する特許を発表。特許を取ったからといって、すぐに製品化されるとは限らないが、スマートウォッチ市場では今のところ一切の動きがないOPPOだけに、そろそろ何かしらの製品を準備しているかもしれない。2020年のOPPOはアッと驚くような新製品を次々と投入してくれるに違いない。
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