まもなく2019年の新型iPhone発表? Apple「スペシャルイベント」の見どころチェック:次期iPhoneはどうなる?
Appleのスペシャルイベントまで残すところ10時間ほど。2019年は、一体何が発表されるのだろうか。予想をまとめつつ、筆者なりの見解を記しておこうと思う。
9月11日午前2時(日本時間)から、Appleがスペシャルイベントを開催する。国内外のニュースサイトやブログでは、このイベントで発表されるであろう新型iPhoneなどの「情報」がさかんに飛び交った。
この記事では、今までにでた情報をもとに、発表会で注目すべきポイントをチェックしていく。
見どころ1:キーノートの告知画像の意味
去年(2018年)と同様に、今年(2019年)もキーノートのWebサイトにはイベントの内容を示唆する文言は一切ない。ただ有色透明のAppleロゴがあるのみだ(参考記事)。
ただし、報道関係者向けの招待状には、そのオブジェクトに「By innovation only.」という文言が追加されている。日本語に直訳すると「革新によってのみ」ということになるが、イベントで発表されると思われる新製品に、何らかの“革新”的要素が含まれていると思われる。
Appleは製品に“全く”の新技術を取り入れることはそれほど多くない。むしろ、既にある技術をより使いやすい形にして製品に取り込むことを得意としている。
他社のものを含む既存製品に搭載されている要素技術に、アッと驚くような工夫を凝らして搭載する――そんな展開に期待したい所だ(純粋な新技術を投入したら本当に驚きなのだが……)。
見どころ2:新製品のラインアップ
9月のスペシャルイベントでは、ここ数年は発表内容が多岐に渡っている。2018年は「iOS 12」「macOS Mojave」「watchOS 5」「tvOS 12」の正式(製品)版のリリース日程とと、「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」「Apple Watch Series 4」が発表されている。
これをそのまま2019年に当てはめると、「iOS 13」「iPadOS」「macOS Catalina」「watchOS 6」「tvOS 13」の正式版と、新しいiPhoneやApple Watchが発表されるものと思われる。プラスアルファとして、発表された新ハードウェアや新OSで利用できるソフトウェアやサービスなども発表されるかもしれない。
2018年9月のスペシャルイベントにおいて、筆者的に一番驚きだったのはiPhoneのデュアルSIM対応。中国向けモデルでは2枚のnanoSIMで、その他の国向けのモデルでは1枚のnanoSIMにeSIMの組み合わせで実現した
とりわけ、一番の注目を集めそうなのが「新型iPhone」のラインアップだ。複数のメディアやブログの情報を総合すると、2018年に引き続き、2019年もグレード順に「6.1型液晶」「5.8型有機EL」「6.5型有機EL」の3モデルが用意されるとの予想が大半だ。
その名前については、算用数字かローマ数字かの違いこそあるが、グレード別に「iPhone 11(XI)」「iPhone 11(XI) Pro」「iPhone 11(XI) Pro Max」になるという予想でほぼ一致している。
名前がこの通りになるのか、ならないか。そもそも、ラインアップがこの通りになるかどうか。いずれも注目だ。
見どころ3:新型iPhoneの機能
新型iPhoneといえば、機能面での進化(変化)も見どころだ。
Web通販サイトなどでは、すでに「新型iPhone用」と称するケースが幾つか登場している。そのいずれにも共通しているのが、アウトカメラ(とおぼしき)部分の切り抜きが大型化していることだ。
2018年のiPhoneでは、「iPhone XR」がシングル構成、「iPhone XS」「iPhone XS Max」がデュアル構成のアウトカメラを搭載している。アウトカメラ(とおぼしき)部分の切り欠きが大きくなったということは、2019年の新型iPhoneは全機種においてアウトカメラの構成が大きく変わるのは確実だろう。
複数の情報を総合すると、どの機種もアウトカメラをトリプル構成として、従来のデュアル構成モデルにおける「広角」「望遠」に加えて、最近のハイエンドAndroidスマートフォンで搭載が進んでいる「超広角」のカメラを搭載するという見立てが有力だ。
また、一部では「ProモデルでApple Pen(ペン入力)に対応するのでは?」「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応するのでは?」「リバースチャージ(※)に対応するのでは?」といったうわさも見受けられるが、特にApple Penに関するうわさについては「見送った」との情報も見受けられる。
※ 別の機器に電力を供給する機能。ここでいうリバースチャージは、非接触充電機能を使ったもので、Androidスマートフォンでは一部機種で対応している
一方、5G(第5世代移動通信システム)については、通信チップの都合から対応を見送る(≒タイミング的に間に合わない)という見方が大勢だ。過去を振り返ると、iPhoneは通信規格面で「最新」「最速」を追い求めない傾向にあるので、この予想には一定の合理性がある。
ともあれ、機能面でより充実したiPhoneが登場することは間違いないだろう。
中国Huaweiのスマートフォン「Mate 20 Pro」に搭載されたワイヤレスリバースチャージ。現行iPhoneを含むQi規格の非接触充電対応機器に電力を供給できるもので、新型iPhoneにも搭載されるとのうわさがある
見どころ4:新型iPhoneの価格と発売日
新型iPhoneの販売価格と発売日も注目ポイントだ。
複数のメディアやブログの情報を総合すると、最小構成の販売価格は以下の通りになると思われる。
- iPhone 11(仮):749ドル(約8万円)
- iPhone 11 Pro(仮):999ドル(約10万7000円)
- iPhone 11 Pro Max(仮):1099ドル(約11万8000円)
ここ数年のトレンドと総合して考えると、販売価格が大幅に変わることはないと思われる。
発売日は、「発表翌週か翌々週の金曜日」という直近数年の傾向を踏まえると9月20日か27日となりそうだ。
見どころ5:新型iPhoneはやっぱり“日本モデル”?
筆者として、2019年の新型iPhoneが“日本専用モデル”となるかどうかという点にも注目している。
iPhoneは「全世界で同一仕様」と思われがちだが、実際には販売する国・地域に応じていくつかのモデルを用意している。
日本では、日本でのみ使われている1.5GHz帯LTE(Band 11/21)に対応するために“日本モデル”が用意されている。筆者は去年、専用モデルがそのまま残るシナリオと解消するシナリオの双方を予想したが、結局は1.5GHz帯対応のための日本モデルが残る形となった。
2018年のiPhoneでは、日本モデルに加えて「中国大陸モデル」も用意された。これは、デュアルSIMへの対応方法の違いから来ている。つまり同じ機種に4つのモデルが用意されたのだ。
今までの経緯を踏まえると、2019年の新型iPhoneも「TD-SCDMA・CDMA2000対応」「TD-SCDMA・CDMA2000非対応」「日本」「中国大陸」の4モデル構成になると思われる。
この点については、スペシャルイベントで語られることはまずない。イベント終了後、各モデルの技術仕様ページ、またはサポートページにある「iPhoneのモデルを識別する」を確認したい。
泣いても笑っても(?)、Appleのスペシャルイベントまで、記事掲載時間(2018年9月12日午後4時)ベースであと10時間。この見どころと各サイトのうわさや筆者の予想がどうなるか、心の片隅に置いて楽しもう。
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