「Xperia 5」は万人受けする持ちやすさが魅力 実機レポート
「Xperia 5」は、「Xperia 1」の特徴を踏襲しつつ、より多くのユーザーに向けたモデルだ。日本でも発売予定ということもあり、どこが変わったのかが気になるところ。本記事では、写真を交えて詳細をレポートする。
「IFA2019」で発表された、ソニーモバイルコミュニケーションズの新製品「Xperia 5」は、2月に発表したフラグシップ機「Xperia 1」を踏襲しつつ、より多くのユーザーに訴求する端末だ。日本でも発売予定ということもあり、どこが変わったのかが気になるところ。本記事では、写真を交えて詳細をレポートする。
Xperia 1の体験をより広いユーザー層に
Xperia 5は、名前こそ「5」と付いているが、Xperia 1の小型版のような印象を受ける兄弟機だ。基本スペックはおおむね引き継いでおり、主な違いは画面と本体のサイズ、そしてカラーバリエーションだ。
Xperia 5が採用する21:9のシネマワイド画面は、画面サイズが6.1型のフルHD+に小型化したものの、6.5型で4Kの解像度を持つXperia 1と同じ縦横比で、有機ELの鮮やかさも受け継いでいる。映画の撮影や鑑賞を楽しめるよう、画面内に切り欠き(ノッチ)を設けない設計にこだわった点も同様だ。
21:9という縦横比を採用した結果、Xperia 1は異例の細長いシルエットになっていたが、Xperia 5のサイズは68(幅)×158(高さ)×8.2(奥行き)mmと、長辺と短辺方向ともに短くなっており「細長さ」は軽減された。横幅68mm、重量164gは多くの人の手に収まりやすく、持ちやすい印象だ。
Xperia 5の本体の特徴も、Xperia 1と似通っている。本体側面に配置した指紋センサーやカメラキーは変わっておらず、これまでのXperiaシリーズの操作性を踏襲している。Xperia 1と同様、3.5mmのイヤフォンジャックは搭載しない。
使い勝手がやや変わったのが、アウトカメラの位置だ。Xperia XZ2以降、本体中央に配置されてきたカメラは、Xperia 5では背面左上に移っている。カメラのスペックは基本的にXperia 1と同じで、メモリ積層型センサーを用いていない点のみ異なる。
本体カラーは4色のバリエーションで、Xperia 1とは異なる雰囲気だ。「Flow of Light」をテーマに、自然の光や環境に溶け込むデザインを目指したという。背面ガラスの表面には透明蒸着処理を施すことで、背面ガラスとフレームに一体感を持たせたとしている。
その結果、Xperia 5は見る角度や光の加減によって、色合いが変わってみるのが面白い。「ブルー」は落ち着いた紺色、「グレー」はときにホワイトにも見え、「レッド」はボルドーのように深みのある色合いとなっている。
日本でどのカラーが発売されるかは未定だが、どの色も単純なブルーやレッドといった言葉では言い表せない表情を持っている。日本での発売時に、改めて手に取って確認してほしい。
シネマ撮影やゲーミングに新機能
Xperia 5は外観の変化だけでなく、中身もアップデートされている。大きく分けてXperia 1でも得意としていた「シネマ」、そして21:9の画面を生かした「ゲーミング」の機能が強化された。
Xperia 1や5が搭載するシネマ撮影機能「Cinema Pro」は、ソニーの映画撮影用機器のチームの協力で開発されたという。ソニーモバイルはその実績として、Xperia 1だけで撮影されたショートフィルム「TASTE」や、クリエイターを取り上げたスペシャルサイト「PASSIONS」を挙げている。
カメラ撮影時の新機能としては、「撮影アドバイス」を搭載した。撮影前にカメラの画角に指が映り込んでいたときや、撮影後に手ブレしていたとき、通知を表示することで気付かせてくれる機能だ。
シネマ撮影機能も細かく改善した。「プロジェクトネーム」の変更や、撮影中に「4:3」や「16:9」の位置を示す枠線を表示する機能、フォーカスポイントの設定など、Xperia 1に寄せられたクリエイターの声を反映したという。
ゲーミングはXperia 1でも注力していたが、Xperia 5でも機能を強化した。PS4用コントローラー「DUALSHOCK 4」をXperia本体とBluetoothで接続することで、PS4本体がなくてもスマホのゲームを楽しめるようになった。ソニーブースでは著名プレイヤーによるデモプレイも行われていた。
スマホの設定をゲーム用に最適化する「ゲームエンハンサー」機能では、新たに着信通知やカメラキーの無効化などに対応。ゲームプレイ中に通知が表示されたり、誤ってカメラを起動したりするトラブルを防ぐ機能が追加された。
シェア機能としては、ゲーム画面を高速連写してベストなシーンを選べる機能、ボイスチェンジャー機能などが強化された。単にゲームをプレイするだけでなく、実況を加えた動画を作りたい人に向けた機能といえる。
ディープラーニング活用した新機能として、「スマートコネクティビティ」も加わった。過去に蓄積したWi-Fiから切断される状況のパターンを分析し、接続が切れる前にWi-FiからLTEへと切り替える機能という。Wi-Fiにつながっているのにデータが流れないのはよくあるだけに、ストレスの軽減に役立ちそうだ。
グローバル版の基本スペックはプロセッサにQualcommのSnapdragon 855を搭載、6GBのメモリ、64GBまたは128GBのストレージを搭載する。Xperia 1と比べて目新しい点は少ないとはいえ、もう少しコンパクトな端末が欲しかった人にとっては安心して購入できる端末になりそうだ。
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