夏のハイエンドスマホ5機種で撮り比べ(後編) ポートレート、料理、夜景で対決:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
2019年夏モデルのカメラ機能を比較するレビュー。使ったのは「Xperia 1」「AQUOS R3」「Galaxy S10+」「HUAWEI P30」「Reno 10x Zoom」の5機種。後編ではポートレート、料理、夜景を試した。
とても暗い夜に挑戦
ここ数年のスマホカメラの3大トレンドといえば、デュアル/トリプルカメラによる超広角や望遠(これは前編でやった)、背景ぼかし、暗所撮影なわけである。
夜景撮影というが、一般的な都会の夜景はイマドキの端末には明るすぎるので、夜の公園灯にほんのり照られている遊具で撮ってみた。どれもノイズをうまく消していてレベルが高い。
Xperia 1がちょっと暗いかな(まあ、肉眼的にはこんなイメージなんだが)、AQUOS R3やP30は頑張って明るめにしているなというところ。
ではここからが本題。Galaxy S10+は「ナイト」モード、P30は「夜景」モード、Reno 10x Zoomは「夜」モードを通常の写真撮影モードとは別に持っているのだ。今、スマートフォンの夜景撮影機能が注目されているのは、これらの暗所撮影専用機能。
専用のモードを持つ端末3台で同じ場所で撮ってみた。基本は露出を変えながら複数枚撮影して合成することで、ダイナミックレンジが広い明るい夜景を作り上げる点にある。
まあ、撮影に数秒かかるけど(両手でしっかり持って息を止めてれば手持ちでOK)、夜景の見栄えとしてはP30が圧倒的ですな。都会の夜景を撮るとめちゃ華やかになる。
Galaxy S10+やReno 10x Zoomも連写+合成でダイナミックレンジを広げてくれるが、仕上がりがP30ほど強烈ではない分、撮影に何秒も待たなくてよい。普通の夜景ならそれで十分過ぎるだろう。
それにしても、スマホのカメラは、ここ数年でずいぶん暗所に強くなったものである。
で、どれがいい?
他にもいろんなシチュエーションで撮り比べて見たのだが、トータルで一番印象がよかったのはGalaxy S10+かな。HDRをうまく使って、人物は明るめに撮れるしダイナミックレンジは広めに撮れるし、時にHDRが掛かりすぎってこともあるけど、汎用(はんよう)性は高い。
Xperia 1はデジカメぽい写りで派手さには欠けるけど、不自然になることはなさそうで安定感がある。
デジカメ的なXperia 1か、派手目の画作りで見栄えのする(でもたまにやりすぎる)Galaxy S10+やP30か、というのは好みかなと思う。
Reno 10x Zoomはまだ荒削りなところがあるけど、この望遠は魅力。いずれ、P30 Proと比べてみたい。
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