AI撮影のデキがよく、高感度に強くなった「HUAWEI P30」 超広角カメラだけ異質?:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)
「HUAWEI P30」は、超広角+広角+望遠のトリプルカメラを搭載。従来のPシリーズのカメラに超広角が付いたことで、より画角が広くなったわけだ。一方、この超広角カメラだけ異質で気になったところもあった。
もうHuaweiの上位モデルはカメラ性能がハンパないってことも、最上位モデルのカメラ性能が次の1つ下のモデルに受け継がれ、最上位モデルはさらにプラスαをのっけてくるというサイクルに乗っかっているのも、みなさま周知の通りなわけで、さあ2019年の「HUAWEI P30」はどうか、なのである。
ちょっとおさらい。1年前に登場したP20シリーズは、「HUAWEI P20」がデュアルカメラで「カラーとモノクロ」という構成、「HUAWEI P20 Pro」はトリプルカメラで「カラーとモノクロ+望遠カメラ」という構成だった。
その半年後に登場した「HUAWEI Mate 20 Pro」はトリプルカメラだが、その構成が「超広角+広角+望遠」に進化した。超広角が付いたことで、より画角が広くなったわけだ。これが最上位モデルだったのである。
それを受けて登場するのが2019年のP30シリーズ。P30とP30 Pro(HUAWEI P30 Pro)なわけだが、P30は最上位モデルだったMate 20 Proと同じ「超広角+広角+望遠」のトリプルカメラ、最上位のP30 Proはクアッドカメラ(うち1つは3D用のTOFカメラだけど)+さらなる望遠となったのである。
今回はまずP30の方からチェックする。
3つあるカメラ、超広角だけちょっと異質だった
P30のカメラ構成はMate 20 Proと同様。3つあるカメラは「超広角と広角(メインカメラ)と望遠」だ。
いつものガスタンクを撮りながら見ていこう。広角のメインカメラで撮るときは「1x」表示。これが基準となる。4000万画素の広角カメラは35mm換算で27mm相当。レンズはF1.8と明るい。
明るすぎず暗すぎず、つまり適正な明るさでシャドー部もほどよく残っているし、等倍で見るとディテールもしっかりしている。一言とでいえば「極めて優秀」だ。
Mate 20 Proと同様、4000万画素ながら、通常の撮影モードでは1000万画素となる。つまり4つの画素から1つの画素を作っているわけで、その分画質はよく、ディテールもしっかり出ている。プロモードだと4000万画素モードも使えるけど、基本的に1000万画素のカメラだと思うのがいい。
「1x」をタップすると3xになる。望遠カメラに切り替わるわけだ。望遠カメラは80mm相当でレンズはF2.4で800万画素。記録画像サイズは1000万画素相当なので、ちょっと増やしている。
さらに「3x」をタップすると135mm相当の5倍に。レンズ自体は80mm相当なので、そこはデジタルズームで賄われるわけだが、それを感じさせないくらいレベルは高く、このくらいまでなら実用的だ。
デジタルズームをかけたことでべたっとした塗り絵感はあるのだが、ディテールは残しつつノイズは消そうという意図がしっかり見える。
この「ディテールを残しつつノイズは徹底的につぶそう、そのために塗り絵感が出てもしょうがない」というのは、このカメラ全体の思想といっていい。高感度時の撮影でもそういう傾向を感じる。ただ、口でいうのは簡単だけど、それをこのレベルで実現しているのはすごい。
ここでさらに「5x」をタップすると、レンズが切り替わって超広角カメラになる。超広角カメラは16mm相当でF2.2で1600万画素だ。
一般にズームレンズは一番広角側を「1x」として考えるのだが、スマートフォン的にはメインカメラを基準(1x)とした方が分かりやすい。そこで、超広角レンズは「広角」という表記になる。これはよく考えたもんだと思う。
超広角カメラとメインカメラの間はシームレスにデジタルズームできるのだが、「超広角カメラは1x〜5xとは別もの」と思った方がよさそうだ。
写りが全然違うからである。
1xと比べて見ると色が全然違うのだ。もっと分かりやすい比較画像も見てみよう。次の2枚は全く同じ場所で、どちらもマスターAIが「青空」と判断したもの。2枚続けてどうぞ。本当に同じ場所で同じ時間(撮影時間の差は9秒)で撮ったものだが、青空の色や建物の発色、コントラストが全く違って面白いくらい。
超広角カメラはハイコントラストで色が濃くてエッジがきりっとした、いわゆる「バッキバキ」の絵なのだ。
普通、複数のカメラを搭載したら、どれで撮っても階調や発色は可能な限り一致するようチューニングすると思うのだが、ここまで個性的だと、わざとそうしたんじゃないかと思う。風景向きカメラだ。
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