「ハイエンドに集中する方針は間違っていない」 ASUSに聞く「ROG Phone II」の秘密とSIMフリー戦略:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/3 ページ)
2019年から、ハイエンドモデルに注力する戦略にシフトしたASUS。ミドルレンジ以下のモデルを大幅に減らしつつも、フリップカメラを搭載した「ZenFone 6」や「ROG Phone II」は、“ASUSらしさ”がいかんなく発揮された端末だ。ROG Phone IIの特徴を中心に、ASUS JAPANの端末戦略を聞いた。
ノッチありきのデザインはどうなのか
―― 先ほどソフトウェアのお話がありましたが、前回はGame Centerだったのが、今回はArmoury Crateに変わっています。この理由を教えていただけないでしょうか。
阿部氏 Armoury Crateは、デスクトップなどに入っている統合環境で、それがROG Phone IIに入ってきた形です。ですから変更したというより、初代がむしろ異質で、IIでほかのROGシリーズと同じになったという言い方が正しいと思います。先代のGame Centerより、かなり複雑なこともできるようになりました。
誰がやるのかというのはありますが(笑)、カーネルレベルでのチューニングもできます。ハードコアチューニングというモードがあり、ここを開くと、CPUの細かなパラーメーターを自由に変更できます。1つ1つは、調べないと私自身もどういう効果があるのかが分からないのですが(笑)。あまりいじりすぎるとマズイことになるので、分かっている人向けですね。ここまでやっているゲーミングスマホは見たことがなく、私も初めて見たときは笑ってしまいました。その意味では、ROGで培ったノウハウを元に、本当にコアな人に向けたスマホと言えます。
―― 初代からですが、ROG Phone IIにもノッチがありません。これは、やはりゲームの表示を重視したということでしょうか。
リー氏 今年の方針はいかにノッチをなくしていくかで、フリップカメラを搭載したZenFone 6も、まさにそうでした。今回、初めて台北の本社から、事前に「これはどうか?」「こっちはどう?」といった打診がありましたが、そのとき、本社側には「ノッチありきのデザインはどうなのか」という意見を返しています。その話だけで決まったわけではないと思いますが、結果としてノッチのないディスプレイが採用されました。
―― エアトリガーの機能も強化されています。
阿部氏 初代ではタップしかできませんでしたが、IIはβ版として、片方だけ有効にするや、スライド操作ができるようになっています。画面の縦スライドを割り当てることもでき、スライドの長さも調整できます。この機能は、音ゲーで使われるのではないでしょうか。速い曲で、長いスライドのあるようなときに有利になるかもしれません。
ゲーム機と比べれば重くない
―― スペックは充実していますが、重量感もありますね。
阿部 240gです。バッテリーが大きくなったというのはありますが、ゲームが動くハイスペックなマシンと思うと、それほど重くはないのではないでしょうか。例えば、「PlayStation 4」のコントローラーは210gで、「Xbox one」は265gと、ROG Phone IIより重くなります。「Nintendo 3DS LL」は329gで、「2DS」でも260gです。モニターがついたハイスペックなゲーム機と比べても、重くないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
―― なるほど。ゲーム機として捉えれば確かにそうかもしれません。ところで、中国ではスペックを落としたTencentモデルが販売され、大ヒットしたとうかがっています。こういったプラットフォーマーとの取り組みは、日本でも検討されているのでしょうか。
リー氏 似たようなやり方は、ぜひ検討したいと考えています。
阿部氏 ただし、あのモデルは省けるところを相当省いていて、通信部分も中国の環境に最適化されているので、そのまま出すというのは難しいと思います。
―― ゲームメーカーやeスポーツの大会、チームとの連携は何かお考えでしょうか。
新島氏 オフラインでの大会には端末をお貸ししていますが、正式なスポンサーシップのようなものは、まだありません。その部分はこれからになりますが、前向きに取り組んでいければと考えています。eスポーツのプレイヤーにもモバイルゲーミングのチームがありますが、その選手に使っていただいたり、後々スポンサーになったりすることも検討しています。
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