「5Gユーザー2億人の獲得競争」 中国メーカーが5Gスマホを積極的に投入する理由:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
中国メーカーの5Gスマートフォンが九族している。中国で販売されている5Gスマートフォンはハイエンドモデルだけにとどまらず、日本円で5万円を切る低価格モデルも出てきている。中国の5G市場が爆発的な伸びを示しており、メーカー間の競争がし烈になってきている。
2020年に中国で登場する5Gスマホは100機種以上に?
さて、2020年は年明けから新型コロナウイルスが世界中にまん延し、スマートフォンメーカーの新製品発表会が相次いで中止されたことは前回の記事で触れた通りだ。その後、各社は積極的にオンライン発表会を行い、新製品を次々と発表している。中国市場も都市封鎖や外出禁止により消費が落ち込んでいるが、スマートフォンメーカーは市場の冷え込みに関わらず、新製品のリリースは当初の予定通り行わなくてはならない。なぜならばここで足踏みすることは、他のメーカーの台頭を許すことになってしまうからだ。
2020年3月に中国向けに発表された5Gスマートフォンを振り返ると、ざっと10機種を超えている。メーカー間の競争はし烈な状況になっているのだ。
- Huawei「P40」「P40 Pro」「Honor 30S」
- OPPO「Find X2」「Find X2 Pro」
- Vivo「NEX 3S」「S6」「iQoo 3 5G」
- Xiaomi「RedMi K30 Pro」
- Black Shark「Black Shark 3 Pro」
- ZTE「AXON 11」
- Nubia「Red Magic 5G」
- 8848「M6」
- Royole「FlexPai 2」
製品名に「Pro」が付与されたモデルも目立つように、無印モデルの上位モデル=派生版を出してモデル数を増やすケースも最近は多い。MWCで5Gスマートフォンの全容を明らかにする予定だったTCLや、ゲーミング5Gスマートフォンを開発しているとウワサされているLenovo、5Gスマートフォンを発表している家電メーカーのHisenseやKonka(コンカ)などもこれから中国の5G市場に参入予定である。このペースが続けば2020年中に中国で登場する5Gスマートフォンは100機種以上になりそうだ。5Gの到来とともに、中国のスマートフォンメーカーが市場をけん引する時代になることは間違いないのである。
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