HAPSモバイルとLoon、成層圏通信向け無人航空機でのLTE通信に成功
HAPSモバイルとLoonは、HAPSモバイルの成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「Sunglider」で成層圏からLTEの通信に成功。米国ニューメキシコ州のSpaceport Americaと日本でビデオ通話を行い、円滑な動作と低遅延かつ高解像度の映像を確認したという。
ソフトバンクの子会社HAPSモバイルと米AeroVironmentの子会社Loonが、HAPSモバイルの成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「Sunglider」のテストフライトで成層圏対応無線機通信に成功した。自律型航空式のHAPS(High Altitude Platform Station)で成層圏からのLTE通信成功は世界初をうたう。
今回のテストフライトは、2020年9月21日(米国山岳部時間)に米国ニューメキシコ州のSpaceport Americaで実施。一式約30kgのHAPSを使用し、飛行中にMIMO技術を用いたLTE通信を約15時間(成層圏では5時間38分)続けた。最大風速58knot(秒速約30m)、最低気温-73度という厳しい環境下でも問題なく性能を発揮したという。
通信試験では成層圏対応無線機を通し、Spaceport Americaでインターネット接続したスマートフォンを持つLoonやAeroVironmentのメンバーと、日本にいるHAPSモバイルのメンバーがビデオ通話に成功。円滑な動作と低遅延かつ高解像度の映像を確認した。
また、今回のテストフライトではHAPS向けに検討が求められている周波数帯の一部について、国際電気通信連合(ITU)無線通信部門の委員会SG3が提案している電波伝搬基本測定を実施。HAPS向け周波数帯の国際標準化に向け、成層圏・地上間の電波伝搬データの取得に成功した。HAPSモバイルとLoonは今後も協力し、ITUや3GPPなどへ働きかけるとしている。
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