レビュー

小型「iPhone 12 mini」と大型「iPhone 12 Pro Max」を試す ユーザーを選ぶからこそ価値あり(3/3 ページ)

11月13日に発売される「iPhone 12 mini」と「iPhone 12 Pro Max」をレビュー。万人受けするiPhone 12や12 Proより、iPhone 12 miniやiPhone 12 Pro Maxは、どちらも人を選ぶ印象がある。iPhone 12 miniのサイズ感はどうなのか、iPhone 12 Pro Maxのカメラ性能は?

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パフォーマンスや通信性能は共通、細かなニーズにも対応可能になったiPhone 12シリーズ

 2機種とも、その他の性能はiPhone 12、12 Proと同じだ。まずは、CPUとGPUの性能。いずれもA14 Bionicのため、ベンチマークアプリで数値を取っても、大きな差は出ない。ちなみに、iPhone 12シリーズはProモデルが6GB、無印が4GBのメモリ(RAM)を搭載している。iPhone 12 Pro MaxとiPhone 12 miniにも同様の差があり、前者が6GB、後者が4GBになっている。

Geekbench 5によるiPhone 12 Pro Maxのベンチマークスコア
こちらはiPhone 12 miniのもの。スコアはほぼ同じだ

 改めて強調しておきたいのが、iPhone 12 miniでも十分アプリがスムーズに動くということだ。そのサイズ感ゆえに、ミドルレンジモデルと思われている方もいるかもしれないが、動作については他のモデルとの違いはない。ゲームアプリが滑らかに動くだけでなく、写真や動画の編集もサクサク行える。コンパクトなためか、負荷のかかる操作をすると、他のモデルよりやや背面が温かくなりやすい印象を受けたが、パフォーマンスは十分だ。

 また、両モデルともSub-6の5Gに対応しており、5Gエリア内であれば、通信速度は“爆速”になる。iPhone 12や12 Proと同様、不要なときに5Gから4Gに自動で切り替えてバッテリーを節約する「スマートデータモード」や、5G接続時にFaceTimeや動画を自動的に高画質化する設定も用意されている。シリーズ4モデルで横並びのスペックだが、ここまでコンパクトなiPhone 12 miniまでが5Gに対応したのは特に意外感があった。「5G端末はどれも大きい」という固定観念を覆した点でも、同モデルは評価できる。

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2機種とも5Gに対応する。コンパクトサイズのiPhone 12 miniまで通信性能をそろえてきた点は、評価できる

 とはいえ、万人受けするiPhone 12や12 Proより、iPhone 12 miniやiPhone 12 Pro Maxは、どちらも人を選ぶ印象がある。個人的には、iPhone 12 miniは文字が小さくなってしまうのが厳しく、iPhone 12 Pro Maxはサイズの大きさや重量感ゆえに持ち運ぶのが少々大変だ。

 ただし、これはあくまで筆者の手の大きさや、用途で考えた場合。手の小さい人や、視力に自信があれば、iPhone 12 miniは最適な端末と評価できる。特に、日本語入力は片手でのフリックを前提にした操作体系になっているため、iPhone 12 miniのサイズ感と相性がいい。コンパクトハイエンドモデルに対するニーズも強いため、特に日本市場では人気出そうだ。

 対するiPhone 12 Pro Maxは、カメラにこだわりのあるユーザーならぜひ選びたい端末といえる。ディスプレイの迫力もあり、タブレットと2台持ちするのが面倒という人にもオススメできる。4機種、3サイズ展開になったことで、iPhone 12シリーズは、これまで取りこぼしていたユーザーにもしっかり届くラインアップに仕上がったといえそうだ。

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