KDDIが「トッピング」を売りにする月額2480円「povo」を発表――NTTドコモ、ソフトバンクのさらなる「後出しじゃんけん」はあるか:石川温のスマホ業界新聞
KDDIと沖縄セルラー電話が、auブランドから派生する新料金ブランド「povo(ポヴォ)」を発表した。5分通話定額を省くことで他社の同等プランよりも500円安くできたことが特徴だが、NTTドコモやソフトバンクがこの特徴に追随してくるかどうかが注目である。
KDDIが「povo」を発表した。20GBのデータ容量で2480円。1回5分の音声通話かけ放題を外してきたのがポイントだ。若者を中心に「音声通話はほとんどしない」という人が増えており、「1回5分のかけ放題もいらない」というユーザーに支持されそうだ。あえてオプションと言わず「トッピング」という点も面白い。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年1月16日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額税別500円)の申し込みはこちらから。
高橋誠社長としては、コンテンツサービスとの組み合わせで、いろんなトッピングを作れるのではないかと期待している。確かに、これまでのauプランであったパックではなく、「個別にコンテンツをお得に楽しむ」というトッピングがいくつでもでき、コンテンツプレイヤーを盛り上げる起爆剤になる可能性がある。
KDDIがpovoを発表した翌日となる14日、NTTドコモ・井伊基之社長にグループインタビューする機会を得た。メンバーとしては、法林さん、石野さん、関口ケータイWatch編集長、田中ITmedia Mobile編集長、矢崎engadget日本版編集長、そして自分という布陣。チームプレーがうまくいき、実に盛り上がりを見せた。詳細は各媒体を参照して欲しい。
こんなメンバーだったせいか、井伊社長もサービス精神旺盛にあれこれ語ってくれた。特にahamoに関しては「ahamoを発表した12月3日以降、流出が止まり、MNPのマイナスが10年ぶりにプラスに転じた」「eSIMに対応」「iPhoneも使える」「家族回線としてカウントする」という情報が明らかにされたのだった。
特に12月3日の発表会時点では「ahamoを契約すると家族回線から外れるので、ほかの家族の割引額が減る」とアナウンスされており、「ahamoのデメリット」として各媒体で強調されていた。今回の方針転換により、NTTドコモが強い「家族まるごとドコモ回線」という武器を維持することになったのだ。
井伊社長は「他社に真似されるから黙っていた」とのことで、povoが発表された翌日だったタイミングだったからこそ、明らかにされたものと思われる。
となると、おそらく、他社も「未発表の案件」というのが残っている可能性が高い。特に国際ローミングなど、他社としてはコロナ禍で優先順位が低く、サービス開始直前に内容が発表されそうだ。
Apple Watch対応に関しても、井伊社長は「考えてもみなかった」的な発言をしており、3月のサービス開始に向けてユーザーが気になっていることが、キャリア側でまだ準備できていないようだ。
povoが2480円という値付けをしてきたのに対し、井伊社長に「まだ、後出しじゃんけんできますよ」と聞いてみたのだが「料金は3社で見れば、横並びになった。他社にキャッチアップされることは予想通り。今後はプロモーションや営業、使いやすさの勝負になってくるのではないか」として、対抗値下げへの明言は避けた。
ただ、このあたりもソフトバンクが動いてくれば、NTTドコモとしても対抗せざるを得なくなってくるだろう。
まだまだ3月のサービス開始まで日があるだけに、さらなる「後出しじゃんけん」が続きそうだ。
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