ドコモの丸山氏、5G時代におけるドコモの事業とその先の6Gについて語る(2/3 ページ)
NTTドコモ 代表取締役副社長の丸山誠治氏が、オンラインで開催された「docomo Open House 2021」で「5G時代到来と持続的成長へのドコモの挑戦」と題して講演した。同社の事業概要を語るとともに、6Gの展開について示した。
5Gを使ったパートナーとのビジネス創出
通信事業については、2020年3月から5Gサービスを開始。5G契約者数は2020年末に138万。2020年度末には目標の250万を超える勢いだという。2021年3月26日にはオンライン専用プランの「ahamo」を開始し、丸山氏は「ますます5Gユーザーが増える」と期待する。
5Gエリアは2020年度末に全国の主要500都市に展開予定で、「ここ1年のうちに全国津々浦々に基地局を設置していく」という。
ドコモの5Gは、5G向けに割り当てられた3.7GHz、4.5GHz、28GHzという周波数帯を使った、5Gらしい高速大容量の「瞬速5G」が特徴だ。
また、さまざな分野で5Gを活用したサービスを考案しており、「一種の社会基盤という位置付け」になっている。3600超の企業、団体が参加する「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」で、5Gを使った業務改善に取り組んでいる。
ミリ波を使ったサービスも始まり、通信速度は下り最大4.1Gbpsに達した。
5Gは低遅延を特徴とすることから、基地局に近い場所にエッジサーバを設置。それが「ドコモオープンイノベーションクラウド」だ。東京、神奈川、大阪、九州の4カ所にサーバを設置して、クラウドサービスを提供している。
低遅延を実現する「ドコモオープンイノベーションクラウド」。「間に入る光回線はNTTグループの回線。日本は光回線の品質が非常に高い。日本の国土がそれほど大きくないので、今のところこの4カ所でやっている」(丸山氏)
通信技術に関する取り組み
通信を活用したビジネス創出だけでなく、ドコモは通信技術そのものの開発にも積極的に取り組んでいることを丸山氏はアピールした。その1つの例が、5G必須特許の保有シェアだ。ドコモのシェアは9.5%で6位に位置している。「5Gに埋め込まれている技術の10%くらいは、ドコモの人間が考えたもの」だ。「世界の標準化に寄与し、世界各国のオペレーターが導入している5Gの仕組みを通じて世界に貢献している」と胸を張った。
また、さまざまなベンダーの装置を組み合わせて使えるようにする無線装置のオープン化も推進。「複数のベンダーの装置を組み合わせられる拡張性の高い形で構築していたが、社内だけでやっているのはもったいないということで」自社の技術を開示し、O-RANという形で賛同者を集めたのが「O-RAN Alliance」だ。
「ドコモのノウハウを使って、無線ネットワークをより拡張性高く、オープンな形にしていきたい」(丸山氏)
先日2月3日には、5GオープンRANエコシステムの海外展開も発表している。
端末については、5Gの高速大容量でないと送れない8Kや3D画像を見られるVRやXR用のグラス、プロジェクターなどを検討している。ただ、さまざまなデバイスを組み合わせて使うことはユーザーに負担になるので、より快適な利用をサポートするために「マイネットワーク構想」を進めている。
「いろいろなデバイスに5Gの通信が内蔵されてくると信じている」という丸山氏。その際には認証手段としてSIMが内蔵され、それも現在のようなスロット型ではなく「当然eSIMだろうと思っている」と語った。
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