ドコモの丸山氏、5G時代におけるドコモの事業とその先の6Gについて語る(1/3 ページ)
NTTドコモ 代表取締役副社長の丸山誠治氏が、オンラインで開催された「docomo Open House 2021」で「5G時代到来と持続的成長へのドコモの挑戦」と題して講演した。同社の事業概要を語るとともに、6Gの展開について示した。
NTTドコモの代表取締役副社長の丸山誠治氏が、オンラインで開催された「docomo Open House 2021」で「5G時代到来と持続的成長へのドコモの挑戦」と題して講演。5G時代におけるドコモの事業概要を説明するとともに、その先の6Gについて語った。
丸山氏は1985年に大学卒業後、NTTに入社。以来、モバイル分野で技術者として働いてきたと自己紹介。その30年間に、モバイル通信の下り速度は年率40%でアップしているという。「5Gでは10Gbpsにまで上がると確信している」と語った。
こうした環境の中で、ドコモは「通信」と「非通信(スマートライフ)」の2つの柱で事業を展開している。通信事業では5G導入とビジネス創出に取り組み、これらのグローバル展開を図る。また、スマートライフ領域ではdポイントクラブ会員を軸とした事業運営に取り組んでいる。
充実した会員基盤をもとにした非通信事業
現在、dポイントクラブ会員数は約8000万。これを「1億にするのが当面の目標」だ。ドコモやパートナー企業が提供するサービスを会員に使ってもらい、そこで発生する課金はdカードやd払いで決済してもらう。サービス利用や決済の履歴が1つの顧客基盤となり、そこで発生したデータを使って会員にサービスを提供する(送客)。「このサイクルを回していくことが、ドコモの会員を軸とした事業運営の中心的な考え方」だ。
ドコモの会員基盤の強みは会員数の多さと豊富な顧客データだ。性別、年齢、居住地域といったデモグラフィック情報や契約状態などの顧客属性、サービス利用履歴などのネット行動データ、さらにd払いなどの決済、位置情報などのリアル行動データなどからなる「1人に3万項目ものデータを持っている」という。さらにパートナー企業が独自で持つデータと掛け合わせることで、「ユーザーの求めるサービスを、求めるタイミングでパートナーと一緒に提供したい」と語った。
その際に大切なのが「利便性」「セキュリティ」「プライバシー」の3つのバランス。
利便性の面で取り組んでいるのが、「d払い」アプリのスーパーアプリだ。d払いアプリの中にミニアプリを組み込み、加盟店サービスを提供する仕組み。こうすることでユーザーは多くのアプリをインストールせずに済み、決済のたびにログインやパスワード入力も必要なくなる。「ユーザーそれぞれにパーソナライズされたクーポンも発行でき、加盟店にも好評」だそうだ。
セキュリティ面では、スマホの生体認証を活用し、パスワードを完全になくして認証するパスワードレス認証を推進している。ここで採用されているのは、認証技術の標準化団体であるFIDOの認証モデルで、ドコモはFIDOの活動にも深く関わっている。
「ドコモは規格作りにも深く関わっている。スマホの場合はGoogleやAppleに働きかけもし、現行のほとんどのスマホで提供されるようになった」(丸山氏)
プライベシー面では、2019年8月にプライバシーポリシーとして「パーソナルデータ憲章」を6つの行動原則にまとめて宣言した。これを守っているかどうかは、プライバシー評価制度の「PIA制度」で担保している。サービスやデータ活用の際には外部の専門家や弁護士などからなる第三者委員会で承認をもらうが、最終的にはユーザーが選択できる。位置情報の利用、ユーザーデータの提供などの同意/拒否は、ドコモが用意する「パーソナルデータダッシュボード」でユーザーが管理・確認できる。
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