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6G時代の通信に ソフトバンクとニコンが「トラッキング光無線通信技術」の実証に成功(2/2 ページ)

ソフトバンクとニコンは、光無線通信の実用化に向けて2台の通信機を双方向で追尾し続ける「トラッキング光無線通信技術」の実証に成功した。光無線通信の特徴は、電波とは異なり干渉せず、ノイズも発生しない。トラッキング光無線通信技術は、光無線通信の弱点である直進性の強さをカバーするものだ。

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光無線通信以外の用途も視野に

 こうした技術は、光無線通信以外の用途も考えられるという。例えばこれまで、移動中継車が中継場所に停車して基地局に向けてアンテナを設置して……といった作業が必要だったが、到着してすぐに基地局をトラッキングして通信が行えるようになる。ジンバルにカメラを設置すれば、グラウンドの選手を自動でトラッキングしてカメラが追尾する、といった使い方もできる。

 今後のスマートシティーの時代においては、町中にセンサーが配置されることになるが、センサーの電源をどうするかという課題がある。これに無線給電技術を利用し、センサーを認識して遠隔から無線給電を行う、といった用途も考えられるという。「100回動かせば、100台のセンサーに給電できる」と丹波氏。

 光無線通信自体は、まだ標準化も進んでおらず、未来の技術ではある。丹波氏は、「光無線通信の実用化は2025年を目指している」と話す。画像認識によるジンバルの稼働という技術は、光無線通信とは別に実現できるため、2022~23年には商用化にこぎつけたい考え。

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ソフトバンクのIT-OTイノベーション本部本部長の丹波廣寅氏(左)と執行役員次世代プロジェクト本部長の柴崎祐一氏

 今後、実用化に向けて両社は協業を続けつつ、ユースケースに応じてパートナーを募って技術開発を行っていく計画だ。

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