Qualcommが「Snapdragon 778G 5G」発表 Snapdragon X65のレファレンスデザインやSA対応も
Qualcommが、5Gスマートフォン向けの新プロセッサ「Snapdragon 778G 5G」を発表した。AI、CPU、グラフィックスの性能がSnapdragon 768Gから向上。5Gモデム「Snapdragon X65/X62」を搭載したレファレンスデザインも発表した。
米Qualcommが5月19日(現地時間)、5Gスマートフォン向けの新プロセッサ「Snapdragon 778G 5G」を発表した。
Snapdragon 778G 5Gでは3つのISP(Image Signal Processor)によって、広角、超広角、望遠のカメラで同時に22メガピクセルの撮影が可能。4K HDR10+の動画撮影もサポートしている。
6世代目のAIエンジンとして「Hexagon 770」を搭載しており、Snapdragon 768Gと比べて処理性能が2倍向上している。AIがバックグラウンドのノイズを抑えることで、通話品質が向上するとしている。
Variable Rate Shading(VRS:可変レートシェーディング)と、応答時間を20%短くするQualcomm Game Quick Touchを含む「Snapdragon Elite Gaming」の一部機能に対応し、Snapdragon 768Gからグラフィックスレンダリング性能が最大40%向上している。
Kryo 670 CPUはSnapdragon 768Gから最大40%性能が向上している。5G通信はSub-6とミリ波の両方に対応し、下り速度は最大3.7Gbps。Wi-Fi 6やBluetooth 5.2もサポートする。
Snapdragon 778Gを搭載した商用機は、2021年度第2四半期に発売される見込みで、Honor、iQOO、Motorola、OPPO、Realme、Xiaomiのスマートフォンに搭載される予定。
あわせて、2021年2月に発表した5Gモデム「Snapdragon X65/X62」を搭載したレファレンスデザイン(設計図)を、OEM(他社ブランド製品の製造元)向けに提供することも発表。X65は10Gbpsの速度を実現し、レファレンスデザインによってOEMは高性能な5G製品を短期間で製造できるとしている。
このSnapdragon X65について、ミリ波の拡張機能と電力効率向上も発表した。
ミリ波の新機能として、200Mz幅のバンドとSA(スタンドアロン)をサポートする。Qualcomm 5G PowerSave 2.0の新しい省電力技術により、パフォーマンス向上とバッテリーの長寿命化も両立させた。具体的には、電力効率を向上させる技術「Release 16 UE-Assisted Information(UAI)」がネットワークリソースを最適化することで、端末と基地局がキャリア数、帯域幅、レイヤー数、熱の状況などの接続パラメーターを動的に管理するという。
Snapdragon X65搭載の商用機は、2021年度末までに発売される見込み。
関連記事
Qualcomm、グローバルな5G対応のゲーミングプロセッサ「Snapdragon 768G」
Qualcommが、昨年12月に発表した5G対応ゲーミングプロセッサ「Snapdragon 765G」の後継製品「Snapdragon 768G」を発表した。先代より15%性能が向上し、多様な5Gをサポートする。Qualcomm、「Snapdragon 870 5G」発表
Qualcommは「Snapdragon 865 Plus」のアップデート版に当たる「Snapdragon 870 5G」を発表した。先代より約3%高速化。高性能だが高価格な5nmプロセスの「Snapdragon 888」以外の選択肢をOEMに提供する。ミッドレンジ向け「Snapdragon 690 5G」発表 シャープやMotorolaが対応スマホ発売へ
米Qualcommが6月16日(現地時間)、Snapdragon 600シリーズとして初の5G対応プロセッサとなる「Snapdragon 690 5G」を発表した。Snapdragon 690 5Gは「5Gのユーザー体験をより幅広く提供するもの」として位置付けられ、安価な5Gスマートフォンへの搭載が期待される。シャープ、HMD Global、LGエレクトロニクス、Motorola、TCL、Wingtecが採用を表明している。「Snapdragon 888」でユーザーはどんな恩恵を受けるのか? 進化の中身を徹底解説する
Qualcommが新たに発表した「Snapdragon 888」は、865から25~35%程度の性能向上が図られている。従来の2チップソリューションから1チップソリューションへと変更されたことで、デバイス省電力や設計面で優位になった。12月2日(米国時間)に開催したイベントでは、カメラやゲームなど、具体的なシーンでユーザーがどんな恩恵を受けるかの説明に時間を割いた。ドコモ、スタンドアロン方式の5Gサービスを2021年度に開始
NTTドコモが、スタンドアロン(SA)方式の5Gサービスを2021年度中に提供することを明かした。スタンドアロン方式では、5Gのコアネットワークを用いることで、5Gの実力をフルに発揮できる。ドコモは4G周波数の一部を5Gに転用することも検討している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.