目指したのは「スマホカメラ」ではなく「カメラ」 ライカに聞く「Leitz Phone 1」開発秘話(1/2 ページ)
ドイツの老舗カメラメーカー、ライカがデザインからソフトウェアに至るまで全面監修したスマホ「Leitz Phone 1」。6月18日にソフトバンクが発売したが、海を越えた日本とドイツの間で、どのようなやりとりがあったのか。カメラブランド「Leica」としてのこだわりとはどのようなものか。
ドイツの老舗カメラメーカーであるLeica(ライカ)が、初めて全面監修したスマートフォン「Leitz Phone 1」。定評のあるライカブランドと1型という大型センサーを搭載したカメラだけではない、「ライカのスマホ」のメリットについて、ライカの担当者たちに話を聞いた。
記事内では企業名を「ライカ」、カメラの製品/ブランド名を「Leica」と表記している。
ライカにとって大きな意味のある「ライツ」
Leitz Phone 1の名称に使われている「LEITZ」(ライツ)は、世界で初めて35mmフィルムのカメラを開発した企業、Ernst Leitz(エルンスト・ライツ)にちなんでいる。これは当時のライカの社名であり、設立は1914年のこととされている。この35mmフィルムカメラの開発は、現在に至るまでのカメラの歴史を決定づけた出来事であり、これがなければ現在のような写真の歴史はなかったかもしれない。
「『Leitz Camera(ライツのカメラ)』が『Leica』となったように、ライカにとっては重要な位置付けにある『Leitz』という言葉をスマートフォンに冠したのは、ライカにとっても大きな意義と意味のあることだ」とライカのモバイル・サービス、グローバル・ディレクターであるジェーン・ツイ(Jane Cui)氏は強調する。「初めてのライカブランドのスマートフォン」が世に出たことについては、「35mm版カメラの登場と同じぐらいのインパクトだ」としている。
ライカは、「スマートフォンにはずっと関心を寄せていて、どういったスマホカメラの発展があるのか注意深く見守っていた」(ツイ氏)。以前から複数のスマートフォンメーカーと話し合いをしてきたというが、実際に製品化に至ったのは中国Huaweiと協業した製品「HUAWEI P9」が最初で、2015年のことだった。
それから、ライカではスマートフォンユーザーのカメラの使い方を学んできたという。「スマホカメラでは世界中の人が毎日写真を撮影していて、生まれて初めて使うカメラ機器がスマートフォンだという若い人もどんどん増えている。スマートフォン向けにどのような画作りをするかの学びがあった」とツイ氏は話す。
ライカとしてスマホカメラを監修している中で、スマートフォン自体を全面監修するという考えに至った。まず第1弾として日本を選んだのは、Leicaの認知度が高く、市場として日本を重要視していたこと、そして日本市場で受け入れられれば、世界でも通用すると考えたからだという。
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