周囲で流れる楽曲の名前を認識する「Shazam」 iOS 15での変更点は?(2/2 ページ)
2018年にApple傘下となったShazam Entertainment Limitedの音楽認識アプリ「Shazam」(シャザム)。iOS 15にアップデートされたことでコントロールセンター内での履歴表示が可能になったが、アプリとコントロールセンターでは別々の履歴が保存される仕様だ。
iOS 15でのアップデートは?
iOS 15でのアップデートについては、あまり公開されている情報量が多くない。iOS 15の新機能解説のページでは、「コントロールセンターにあるShazamのミュージック認識機能が、あなたが最近見つけた曲を自動で保存します。コントロールを長押しすると、履歴表示が開きます」、と書かれている(本国向けサイトの英語表記は「Shazam music recognition in Control Center now automatically saves songs you've recently discovered. Touch and hold the control to open your history view.」)
この表記を初めて見たとき、筆者は「もしや周囲で再生されているBGMを自動認識して保存してくれるのだろうか?」と思ったのだが、実際に検証してみると、そういうわけではなさそうだと分かった。
iOS 15.1をインストールした「iPhone 11 Pro」で、バージョン15.0の「Shazam - 音楽認識」アプリをインストール&起動した状態で検証。周りで楽曲を再生しているだけでは、特段認識はされなかった。iOS 14.2以降と同様で、あくまでコントロールセンターに表示された「ミュージック認識」アイコンをタップしたタイミングでのみ、認識がスタートする。
一方、説明文後半にあった「コントロールを長押しすると、履歴表示が開きます」という記載部分は、そのままの理解で問題ない。コントロールセンターに配置したミュージック認識のボタンを長押しすることで、認識した楽曲の履歴画面が表示されるようになっている。「あれ、さっき認識した曲名なんだっけ?」といううっかりをサポートしてくれる良い機能だと思う。
そのため、先述した説明文を再度筆者なりに解釈してみると、「コントロールセンターにあるShazamのミュージック認識機能を使ってあなたが最近認識させた曲が、履歴画面に自動で保存されるようになりました。履歴表示を開くには、コントロールセンターのアイコンを長押ししてください」ということになった。
どうやって認識した曲がコントロールセンターの履歴に表示される?
関連して、履歴に表示される曲の規則も検証してみた。具体的には、Shazamアプリ内から操作して楽曲認識をさせるパターン(A)と、コントロールセンターのミュージック認識ボタンから操作して楽曲認識させるパターン(B)を両方とも試して、差があるかを調べた。
結果として、筆者が数回検証した範囲では、「A」で認識した楽曲はこのコントロールセンターの履歴表示には現れなかった。コントロールセンターの長押しで確認できる履歴は、あくまでも「B」=コントロールセンターからの操作で認識させた楽曲のみのようだ。
ちなみに、周囲で流れている楽曲を自動で認識する機能そのものは、Shazamアプリが搭載していることを補足しておきたい。Shazamアプリのアイコンを長押しすると、「Auto Shazamを起動」という選択肢が表示されるので、これをタップ(あるいはShazamアプリを起動した後に表示されるShazamボタンを長押ししてもよい)。
Auto Shazamが有効になっている場合には(バッテリー消費などが増えるので注意は必要だが)、自動で周囲の楽曲を認識してくれる。要するにShazamの音声認識がずっとオンになっている状態だ。
念のため、同機能を活用した場合に、コントロールセンターの履歴表示に変化があるのかも調べてみた。しかし、結論を言うと、Auto Shazamで認識した楽曲も、コントロールセンターの「ミュージック認識」機能の履歴表示からは確認できなかった(ちなみに、Auto Shazamで認識した楽曲は、Shazamアプリの中の「最近Shazamした曲」にある「Auto Shazam」の中から確認できる)。
「iPhone、iPad、iPod touch、Apple Watch、Mac で Shazam を使う」というヘルプページも確認したが、その他の操作方法について解説はなかった(https://support.apple.com/ja-jp/HT210331)
というわけで、iOS 15.1時点における筆者の理解をまとめると以下のようになる。
iOS 14.2ではコントロールセンターに「ミュージック認識」機能を配置できるようになり、このボタンをタップすれば「Shazam」の一部機能を使った楽曲認識などを行えるようになっていた。
ただし、別途App Storeから「Shazam」をインストールしておく必要はある。そして、iOS 15では、そのボタンを長押しすることで、楽曲として認識した履歴を確認できるようになった。ただし、同画面に履歴として表示される楽曲は、コントロールセンターの「ミュージック認識」機能から認識したものに限られ、Shazamアプリ側の音声認識を使った場合には、履歴として反映されない。
以上、Shazamの変更点が気になっていた人の参考になれば幸いだ。
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