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OPPOの折りたたみスマホ「Find N」を見て思い出す、もう1つの名機「N」

OPPOのフラグシップモデル「Find N」を見ると、過去に同じ「N」の名を冠して販売されていた「OPPO N」シリーズを思い出す。メインカメラが回転してセルフィーを撮れるという独創的なスマホだった。

 OPPOの折りたたみスマートフォン「Find N」は、OPPOのフラグシップモデルです。OPPOは今後ハイエンドモデルをFind XシリーズとFind Nシリーズの2本立てで展開していくと思われます。「N」の名称は「New」などから来ているのかもしれませんが、実はOPPOは過去に「N」の名前を付けたモデルを展開していたことがありました。今回はちょっと古い製品の紹介です。


OPPOが過去に出していた「N1」

 2011年にスマートフォン市場に参入したOPPOは、一時は世界最薄モデルを次々に出すなどして市場での存在感を高めていきました。その後カメラを強化すべく、アウトカメラを回転させてインカメラとしても使えるようにするというアイデアを実現したのが「Nシリーズ」。2013年の「N1」を皮切りに、「N1 mini」「N3」と3機種が登場し、高性能なアウトカメラでセルフィーも撮れることで話題となりました。なおその後はコストの関係か、インカメラを重視した「Rシリーズ」に統合され、Nシリーズは廃止となりました。

 N1はカメラフォンであるだけではなく、当時としては大型の5.9型ディスプレイを採用。ちなみに大画面スマートフォンの代名詞だった「Galaxy Note」シリーズの2013年モデル「GALAXY Note 3」は5.7型。本家よりも大きいディスプレイを採用したのは、撮影したセルフィーをプレビューさせ加工してSNSにアップするには大画面が必要だったからなのでしょう。

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当時としては大型の5.9型ディスプレイを搭載

 背面はすっきりしたデザインですが、本体サイズが大きいためか若干湾曲させた計上になっています。カメラは今となっては懐かしいシングルカメラ、しかし1300万画素と高画質です。


すっきりした背面に1300万画素カメラを搭載

 カメラを起動するとインカメラの切り替えボタンが見当たりません。そもそもディスプレイの上の方にインカメラも見えませんね。


カメラのUIにはインカメラ切り替えが見えない

 インカメラを使うときは、自分でカメラを回転させるのです。なお、後継モデルのN3では、このカメラの回転がモーターによる自動となりました。


カメラは手動で回転する。自由な位置にすることができる

 カメラをイン側に回転させると207度の角度で止まり、この状態でディスプレイのプレビュー表示も上下が反転して自分の顔を撮ることができます。片手で本体を持ったとき、このカメラ角度ならちょうど顔がいい位置で写るわけです。


イン側にカメラを回転させると、207度のちょうどいい角度となる

 カメラ回転式のスマートフォンはASUSが2019年に「ZenFone 6」を出しましたが、OPPOはそれよりも5年以上も前にすでに同じギミックを持った製品を出していたのでした。サムスンもやらなかった回転式カメラを搭載するOPPOの技術力は、その後「Find X」で本体上部をモーターで上下させるなどさらに凝った機構を実現させています。そんなOPPOの作り上げたFind N、折りたたみスマートフォンとしての完成度が高いのは言うまでもないでしょう。


今でも通用する大きさとデザイン。OPPOの先見性も感じさせる

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