IIJmio「ギガプラン」の反響と値下げの狙い 音声対応eSIMは「準備が整いつつある」:MVNOに聞く(2/3 ページ)
IIJは、2021年4月に導入したIIJmioの新料金プラン「ギガプラン」を、4月1日に値下げした。消費税の総額表示に対応した際の端数をなくすための色合いが濃いわずかな値下げだが、4GBプランを特に大きく値下げしている。ギガプラン開始から1年経過したのを機に、IIJmioの最新動向をうかがった。
中容量や大容量は接続料がもっと安くなっていけば……
―― やはり4ギガプランが主力なんですね。中容量プランはいかがでしょうか。MVNOでこの容量帯を強化している会社もあります。
矢吹氏 強いのは2ギガプランと4ギガプランの2つですね。中容量プランに関しては、われわれの中でも議論をずっとしています。ただ、(大手キャリアとMVNOの)料金差や利用できる容量の差が以前ほどなくなってきているのも事実です。数百円安くて何GB多いといっても、差を届けにくい。求められているのが、必要な容量を安くということなので、そこをしっかりやっています。中容量や大容量は接続料がもっと安くなっていけば積極的にチャレンジしていくべきだと思いますが、今の価格だとキャリア並み、サブブランド並みは厳しいと感じています。
―― 確かにMVNOの中容量プランとahamoなどのオンライン専用プランを比べると、価格帯の差が以前のように数倍といったレベルではありません。
矢吹氏 300円、400円違ったところで、マーケットで爆発的に伸びるかというと、現状維持バイアスもあるのでなかなか難しいと思います。
音声定額サービスの利用に専用アプリが必要なのはなぜ?
―― 2021年12月には、完全通話定額を導入しました。この狙いを教えてください。
矢吹氏 前々からやりたいという思いはありました。(IIJmioのSIMを)ファーストスマホに入れてほしいからです。データ量はいろいろなサービスを出してきましたが、音声のところにもあと一歩踏み込んだものが必要でした。
―― これを実現できたのは、MNOと音声接続ができたところが大きかったのでしょうか。
矢吹氏 音声接続への切り替えによる料金の見直しは大きかったですね。
―― ただ、音声定額を利用するには依然として「みおふぉんダイヤル」アプリが必要です。これはなぜでしょう。
亀井氏 今は必要なのですが、実際にはドコモ回線は音声接続時になっているので、本来はいりません。
―― ということは、au回線がまだということでしょうか。
亀井氏 はい。価格は両回線で合わせていて、従量部分の料金は変わりませんが、そこは検討したいと考えています。始めてみて思ったことですが、なるべくアプリはない方がいい。Webで獲得する分にはいいのですが、そうではないところで、アプリを利用せずに電話をかけ、かけ放題が適用されなかったという誤解もありました。店頭でも案内はしていますが、きちんと理解されるまで説明しきれていないところもあるので、その齟齬(そご)は解消していきたいと考えています。
―― 確かに店頭だと、説明してそのときは「分かりました」となっても、忘れてしまう可能性もありますね。アプリの設定も必要ですが、そこまではやっていないということでしょうか。
亀井氏 プラスαのサービスとして設定しているところもあれば、そうではないところもあります。同意は取っているエビデンスはあるものの、理解されているかというと結構難しいところがあります。
―― au回線が切り替われば、そういったトラブルはなくなりそうですが、いかがでしょうか。
矢吹氏 どうやってそこを切り替えるのか、もしくは(料金の)レベルをドコモ回線と合わせていくかは、いくつかの事業者と協議があり、詰めているところです。対応には、まだもう少し時間がかかります。
―― とはいえ、IIJmioというとやはりドコモ回線という方が多いと思うので、そこは何とかしてほしいですね。
矢吹氏 はい。au回線でのサービスも提供していますが、まだ9割ぐらいはドコモ回線です。
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