インタビュー

iPhoneの激安販売は「望ましい競争形態ではない」 ドコモ井伊社長が主張する“値引きの上限”(2/2 ページ)

NTTドコモの井伊基之社長インタビュー第2回では、端末の激安販売や、それに伴う転売の問題に焦点を当てる。iPhoneを中心としたスマホの激安販売について「望ましい競争形態ではないとは思ってる」と井伊氏。端末と回線はセットにして、端末割引の上限額を決めるべきと同氏は考える。

前のページへ |       

OPPOやXiaomiの端末取り扱い カギは「n79」?

―― オープン市場を見ると、OPPOやXiaomiなどの中国メーカーが国内でも台頭していますが、こうしたメーカーの端末を扱う可能性はあるのでしょうか?

井伊氏 いろんな方々が提案に来られるので、検討したことはあるんですけど、今のところ採用はしていません。

―― Huawei端末の取り扱いをストップしてから、中国メーカーのスマートフォンを取り扱うことに慎重になっているのでしょうか。

advertisement

井伊氏 中国のメーカーさんであることは意識しています。(OPPOやXiaomiの端末を)他社さんが採用している実績があるとは聞いていますので、そこは是々非々で見ているんですけど、われわれの要求条件を満たすだけのご提案がないので、今のところ採用していないです。

―― それは(5G周波数の)n79が関係しているのでしょうか。

井伊氏 それもあります。周波数問題は十分あります。n79の4.5GHz帯はわれわれ固有ですが、中国メーカーだけじゃなくて、GoogleのPixelもまだ対応していないので、(ドコモでは)扱っていないです。ある程度ロットが出ないと、メーカーさんはその周波数に対応しないですよね。


OPPOやXiaomiのスマートフォンを扱うには、n79への対応が必須になりそうだ(写真は「OPPO Reno7 A」

―― 一方で、円安もあって端末価格が高騰しています。ハイエンド端末は20万円近くになっていますが、なかなかコントロールしづらい。

井伊氏 できないですよ、為替は。円安対策を早くやってくださいという。これは、輸入業者としてはかなりしんどいですよね。

―― 9月にまたiPhoneが発売されると思いますが、価格がどうなるかを心配している方は多いと思います。

井伊氏 でも9月くらいだとあまり変わらないかもしれないですね。ですから、為替損というものが出るでしょうね。

―― そこでカエドキプログラムをしっかり訴求していく感じでしょうか。

井伊氏 そうですね。だから、分割とかである程度買いやすい価格に下げる。あとは先ほどもお話ししたように、端末だけで収支はうまくいかないので、回線を長く使っていただくよりは、ロイヤルカスタマーになっていただくことがポイントだと思います。



前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.