アップル製品が円安影響で大幅値上げ――求められる「スマートフォン買いやすくする販売方法」:石川温のスマホ業界新聞
Appleが7月1日から既存製品の多くを“値上げ”した。昨今の円安傾向を販売価格に反映したものと思われるが、同社を含む多くのメーカーやキャリアも新製品の製品価格を値上げせざるを得ない状況になるだろう。となると、より買いやすくするための“工夫”も検討すべきではないだろうか。
7月1日、アップルはiPhoneやiPad、Apple Watchなどの価格を改定した。iPhone 13 Pro Maxの1TBモデルでは19万4800円から23万4800円という4万円の値上げになった。
iPhoneにおいては、iPhone SE/11/12/13シリーズというすべての製品で値上げとなっている。アメリカでの販売価格は改定されていないことから、昨今の大幅な円安基調を反映したものと思われる。
もともと、日本におけるiPhoneの価格は海外に比べて安価に設定されていた。しかし、今回の円安基調により、海外との価格差はさらに広まることとなった。
今年も9月あたりに新製品が発売されるとなると、海外への転売目当ての購入が殺到する危険性があった。特に今回の円安は対ドルだけでなく、対中国元でも同様の動きとなっているだけに、発売日に転売目当ての大行列ができる可能性もあった。
このタイミングでの値上げにより、新製品も同様の価格帯になることが想定され、転売目当ての購入も減ることが予想される。
スマートフォンの高騰化については、ソニー・Xperia 1 IV
に続き、今週、価格が明らかになったシャープ・AQUOS R7においても、20万円近い値付けとなるなど、メーカーの努力だけではどうにもならない状況にまで陥っている。
そもそも、高価な部材を使っているのに加え、半導体不足や円安の影響により、高価格化は避けられない模様だ。ユーザーとしても、キャリアの端末購入補助プログラムを適用しても、それなりの金額になってしまい、手が出ない状態になりつつある。「今年は買い換えのを控える」といった動きになりかねない。
キャリアとすれば、新しい5Gスマートフォンに乗り換えてもらい、今まで以上にデータ通信を使ってもらい、ARPUを回復させたいのが本音だろう。しかし、ここまでスマートフォンが値上がりすると、そういった青写真も描けなくなる。
やはり、もっと気軽に機種変更しやすいアイデアを出していく必要があるのではないか。
端末割引の2万円上限も見直し、もっと高額の割引ができるようにすべきだ。海外のように下取り価格に対して金額を増すことで、乗り換えを促進するのも悪くない。
また、端末購入補助プログラムももっとわかりやすくするべきだろう。ほかにも、サブスクリプションのような体系で、新しい機種に乗り換えられる仕組みも欲しいところだ。
さすがに20万円近い値付けの商品をゼロ円で手に入れられるようにしろ、とは言わないが、普及価格帯の最新モデルが、もっと入手しやすい環境を整備する必要はあるだろう。
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