KDDIと沖縄セルラー電話が7月の障害に伴う「返金案内」を開始 8月16日から対象ユーザーに“URLのないSMS”で通知
KDDIと沖縄セルラー電話の携帯電話で7月2日から4日にかけて発生した通信障害について、両社が返金対象を確定した。povo2.0を除くSMSを送受信できる対象の携帯電話には、8月16日から約1週間をかけてSMSによる告知を行うという。
KDDIと沖縄セルラー電話は8月15日、7月2日から4日に発生した通信障害に伴う返金内容の詳細を公表した。対象となる契約のうち、個人名義でSMS(ショートメッセージ)の送受信に対応する携帯電話(※1)には、8月16日から1週間程度の日程で順次SMSを送付する。
(※1)「au」「UQ mobile」「povo1.0」の各携帯電話サービスを利用しているスマートフォン、タブレットやケータイ。「povo 2.0」については、データトッピングの付与告知メールをもって代用する
返金対象となる契約
返金には、KDDIと沖縄セルラー電話の契約約款に基づく「約款返金」と、約款によらない「おわび返金」の2種類がある。それぞれの対象契約者と内容は以下の通りとなる。
なお、返金処理前に解約やブランド変更を行った場合、解約/変更前のブランドでの支払い方法に対して返金処理を行う。状況によっては書面で返金方法についての確認が行われる場合もある。
約款返金
約款返金は、通信障害の期間中、24時間以上連続して通信サービスを全く使えなかった、またはそれと同様の状況にあった音声通話のみの契約者が対象で、9月以降の請求で基本使用料などの2日分相当額を減算する。
具体的な対象は以下の通りで、KDDIでは約271万人、沖縄セルラー電話では約7万人いるという。
- au携帯電話で音声通話のみを契約している(≒データ通信契約をしていない)人
- ホームプラス電話/ホーム電話(au 4G LTEを使った固定電話)を契約している人
おわび返金(おわびトッピング)
おわび返金は「au」「UQ mobile」「povo1.0」ブランドの携帯電話(※2)と、ホーム電話/ホームプラス電話を契約している全てのユーザーが対象で、9月以降の請求で1契約当たり200円を減算する。基本使用料の設定がない「povo2.0」ユーザーには8月31日までに「データトッピング(1GB/3日間)」を贈呈する。
対象となる契約者はKDDIでは約3589万人、沖縄セルラー電話では約66万人となる。
(※2)au 5G/4G LTEを利用するデータ通信専用サービス(タブレットやルーター)も対象
返金の告知について
先述の通り、返金対象となる契約のうち、個人名義でSMSの送受信に対応する携帯電話には、8月16日から1週間程度の日程で順次SMSが送付される。フィッシング詐欺対策の観点から、SMSにはURLは記載されない。差出人の電話番号は各ブランドのお客さまセンター(電話窓口)で、不明点は当該の番号に電話することで確認できる。
povo 2.0の契約者については、データトッピングの付与告知メールをもって告知に代える。こちらもフィッシング詐欺対策の観点からユーザー情報の入力を求めない他、プロモーションコードを“メール本文”に記載する。本文にあるコードを「povo2.0アプリ」で入力して利用しよう。
法人名義の契約、SMSの送受信が行えない契約者(ルーターやホームプラス電話/ホーム電話など)については、9月請求分(8月利用分)以降の請求書や契約者向けWebサイト(My auなど)で返金があるかどうかを確認できる(※3)。
(※3)ホーム電話はCATV事業者の請求書で確認可能(CATV利用料金から減算する)
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