予想以上に優秀だった「Pixel 6a」のカメラ 望遠カメラを除けばPixel 6 Proと遜色なし:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/4 ページ)
「Google Pixel 6」の廉価モデルという扱いになるであろう「Google Pixel 6a」。シンプルなデュアルカメラのスマホで、望遠カメラがないことや画角のちょっとした差を除けば、「Google Pixel 6 Pro」にも迫る撮り心地のカメラを備えたスマホといえる。
「Google Pixel」シリーズってもうちょっとメジャーになってもいいと思うのだけど、なかなかそうはなってないのは、ドコモが扱ってないからなのか、見た目がいまひとつ地味だからなのか。
もちろんその筋での評判はいいけど、もうちょっと世間でも普通に評価されていいと思うのだ。
Pixelは秋に最新モデルが登場し、その翌年に廉価モデル、次の秋には最新モデルというパターンになりつつあるので、最新モデルのPixel 6aは昨秋に出たPixel 6の廉価モデルという扱いになるのだけれど、普通の人が普通に使う分にはすごくいいバランスだと思う。ここではカメラ機能・性能の話しかしないけど、「迷ったらこれ!」的な端末だと思う。
Pixel 6 Proと撮り比べてみよう
Pixel 6aはシンプルなデュアルカメラのスマホ。2021年秋に出たPixel 6シリーズと同様、カメラ部が横長の黒いバーになっていてレンズがどこにあるのか分かりづらいけど、おかげでシリーズの統一感が出ている。
では「Pixel 6 Pro」とその約半分の価格であるPixel 6aのカメラ性能の差はどのくらいあるのか。最初はそこをチェックだ。
まずは見た目。Pixel 6 Proの方がデカいのは当然として、ここではカメラ部の違いだけを見る。一目で分かるのはカメラの数。Pixel 6 Proは3つ目のカメラ(望遠カメラ)があるけど、Pixel 6aは2つ。
望遠カメラはPixel 6aにないので無視するとして、残り2つは超広角と広角カメラである。違いがあるのは広角カメラ。Pixel 6 Proは5000万画素(もはやおなじみの4画素を1つにして出力するので実質は約1250万画素)のクアッドベイヤーのセンサー。AF用のLDAFセンサーを持っている。レンズのF値はF1.9。
Pixel 6aはリアルに約1200万画素で、AFはデュアルピクセルを使った像面位相差AFだ。レンズのF値はF1.7。
センサーのサイズもPixel 6 Proの方が一回り大きくAFの方式もちょっと違う。Pixel 6 Proの方がワンランク上のカメラユニットを積んでいるのだ。
では実際の写りにどのくらいの差があるか見てみよう。Pixel 6 Proは35mm判換算で24mm相当、Pixel 6aは27mm相当と画角がちょっと違うので、その辺も念頭に置いて。
違いはほぼないのである。さらに2xズームにしてみよう。
Pixel 6a、かなり優秀である。
超広角カメラはレンズも含めてPixel 6 ProもPixel 6aも同じようだ(ついでにいえばPixel 6も同じ)。だからこちらは写りも同じだ。優秀である。ただ、広角カメラと出力画素数を合わせるためか、Pixel 6 Proは約1250万画素のサイズで出力される。
続いて最もよく撮られる被写体の1つ、人を撮ってみよう。Pixel 6 Proの方がちょっと広角で、イメージセンサーが大きい分背景のボケも大きいが、どっちがいいって差が出るレベルじゃない。
屋外の明るい場所、つまり条件がいいときの画質は気になるレベルじゃない。じゃあ室内のようなちょっと暗い場所ではどうか。
同じような写真を並べるのもアレなので等倍表示したものを2つ並べて比べやすいようにしてみた。変わらないではないか。
つまり、望遠カメラを持ってないとかセンサーサイズがちょっと小さいとかあるけれども、実際に使ってみると、それほど差がないのだ。これ、Pixel 6aが予想以上に優秀(というか、Googleのコンピュテーショナルフォトグラフィーが優秀)ってことだと思う。
ちなみにカメラアプリが持つ撮影機能に関してはちょっと差がある。Pixel 6 Proが持つ「モーション」モード(中にはアクションパンと長時間露光の2つがある)がPixel 6aには搭載されていないが、これらはある種実験的な撮影機能であり、必要かというとたぶん99%の人はなくても困らないわけで、Pixel 6aはその価格(Googleストアで税込み5万3900円)を考えるとめちゃ優秀であるといっていい。
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