迷走? マスク氏買収のTwitterはどこに向かうのか 今、起きていること(2/2 ページ)
テスラCEOのイーロン・マスク氏は10月27日(現地時間)、米Twitterを買収し自らCEOに就任しました。マスク氏が最初に行ったことは、Twitter取締役9人の一斉解雇。マスク氏は「今後数カ月、多くのバカげたことを行うので注意してほしい」とツイートしています。
ツイートに長文テキストを添付できる新機能も
そんな迷走気味のTwitterですが、一応、新機能についても発表されています。それがツイートに長文テキストを添付できるというもので、マスク氏は「メモ帳スクリーンショットの愚行を終わらせる」とツイートしています。
Twitterは6月から、ブログのように長文を書き、そのリンクをツイートできる「Twitter Notes」をテストしていました。マスク氏の言う機能がこれのことなのかは分かりませんが、フォロワーからの「Twitter Notesのことか」という質問に対しては「Something like that(同じようなものだ)」と回答しています。
マスク氏自らがツイートで告知
なお、これまでであれば、こうした変更は公式ブログや公式アカウントで報告されていたのですが、公式ブログは10月27日で更新が止まっており、公式アカウントもTwitter Supportアカウントが11月10日に「なりすましや偽物を積極的に取り締まっている」とツイートしたのみ。基本的な告知は、マスク氏やTwitter幹部が個人アカウントでツイートするにとどまっています。解雇した一部の従業員を呼び戻しているとも伝えられており、社内は大混乱といったところなのでしょう。
こんな混乱した状態でもTwitter Blueの値上げなどを断行している背景には、赤字体質の改善ということはもちろんのこと、Twitter買収にかかった440億ドルの回収という目的もあるのでしょう。海外メディアPlatformerは、内情に詳しい関係者からの話として、マスク氏がTwitter全体の有料化を検討していると報じています。毎月一定時間のみ無料で利用でき、それ以上はサブスクリプションに加入する必要があるという形が検討されているようです。
一時期は、サービス継続のために課金させてほしいというユーザーも多かったTwitterですが、いまではそうした声はほとんど聞かれなくなりました。今後、本当に有料化するようであれば、多くのユーザーがTwitterを離れることも考えられます。また、これを機会に新サービスや新プラットフォームが立ち上がり、業界の新陳代謝が進む可能性もあります。Twitterが今後もユーザーを増やし盛り返していくのか、あるいは徐々に衰退していくのかはまだなんとも言えないところですが、数年後に「Twitterが変わったのは2022年だった」と言われるのは間違いなさそうです。
関連記事
イーロン・マスク氏のTwitter買収で何が変わるのか? 問われる“自由”の意義
イーロン・マスク氏がTwitterを買収することが承認されました。マスク氏はTwitterを買収する理由について、言論の自由が危ういことを挙げています。マスク氏は「法律をはるかに超えた検閲に反対する」とも述べています。Twitterに「編集機能」は実装されるのか? その経緯と影響を整理する
Twitterは、ツイートを後から編集できる編集機能に取り組んでいると明らかにしました。ツイートを編集する機能は、これまでたびたび話題になっていたものの、Twitterがかたくなに導入を拒んでいた機能。編集機能を導入する場合、編集履歴の表示や投稿後5分後以内にするなどの措置が必要となりそうです。「もしもTwitterがなくなったら」を考えてみた
Twitterがなくなったら割りと困る。Twitterで特定ユーザーを排除する「スパブロ」とは
高校生の約半数がTwitterを実名で利用 MMDとマカフィーの調査
MMD研究所とマカフィーは、3月27日に「高校生、大学生、社会人20代・30代のSNS利用に関する意識調査」の結果を発表した。高校生Twitter利用者の52.7%は実名で、うち41.1%は「すべての人」に情報を公開。投稿内容が問題になったことがある高校生は約2割で、そのうち8割以上が「問題になると思わなかった」と答えている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.