中古で2万円台、5年前の「iPhone X」は今でも使える? iPhone 14 Proと比べて分かったこと(1/3 ページ)
5年前に発売されたiPhone Xを改めて検証。今はどれだけ使えるのか、どのような部分が新しい機種に比べて苦しい立ち位置になっているのかをまとめてみた。
昨今の為替上昇などの影響により、携帯電話の価格上昇が続いている。日本でも人気のiPhoneも多くが10万円以上の価格設定となり、決して安価とはいえなくなった。アップデートが継続していることもあって、古い機種をなかなか乗り換えられずに使っている方も多いはずだ。あるいは、中古端末として古いiPhoneの購入を検討している人もいるだろう。
今回は5年前に発売された「iPhone X」を改めて使ってみて、どれだけの実力があるのか、新しい機種に比べてどこが苦しいのかをまとめてみた。
iPhone Xは2017年11月に発売され、当時の価格は11万円から。プロセッサに「A11 Bionicチップ」を採用し、同社のスマートフォンとして初めてNPUが搭載された。性能的にも大幅に強化され、独自設計のGPUを採用したことなど記憶に新しい。
iPhoneとしては初めて有機ELパネルを採用し、ホームボタンがなくなったこともトピックだ。防水・防塵(じん)に加えて無接点充電にも対応。おサイフケータイも備えるなど、現在でも機能面の見劣りは少ないものになっている。世代的にはiPhone 8、iPhone 8 Plusも同じものになる。ちなみに、中古ならiPhone Xは2万円台から販売されている。
今回は普段iPhone 14 Proを利用する筆者が2週間ほど、5年前に購入したiPhone Xを再利用してみた。
5世代の違いは大きかった
まずは性能面から見ていく。iPhone XはA11 Bionic、iPhone 14 ProはA16 Bionicと5世代分の差となる。そのため、体感的な性能では大きく変わってくる。単純にプロセッサの性能は2倍近い差があり、メモリ量やストレージ性能にも差が出ている。
加えて、iPhone Xの発売時に比べると、3D表現を多用したより高性能かつ、多くのメモリを必要とするリッチなアプリが増えている。そのようなコンテンツを利用するにあたっては、iPhone Xでは推奨環境から外れていることもあり、動作には不満を感じてしまう。
その一方、ブラウジングや SNS が中心といった使い方であれば、引っ掛かりこそあるものの、大きな問題なく利用できる。SNSアプリは多くが問題なく動くが、Twitterではスペース機能などを利用すると、本体がかなり発熱して動作が不安定になることがあった。
参考までにGeekBench 5のベンチマークスコアを取ったところ、iPhone XとiPhone 14 Proでは大きな開きがあることが分かる。OSプラットフォームが異なるため正確な比較にはならないが、iPhone Xの性能はRedmi Note 11をはじめとした2万円前後で販売されているスマートフォンよりも高いスコアが出ている。
近年におけるリッチコンテンツの代表例ともいえる原神に関しても、Redmi Note 11が最低画質でも動作の引っ掛かりを感じる中、iPhone Xであれば同じ条件である程度遊ぶことができた。発売から5年が経過しているが、並のエントリースマホと呼ばれるものに比べると高性能であることがうかがえる。
画面性能に関しては正直なところ、現行モデルとも大きく見劣りはしない。iPhone Xの画面はPro Motionという120Hz描写には非対応だが、先述のように有機ELディスプレイを採用している。標準モデルになるiPhone 14などと比べると大きな差はない。
一方で、画面輝度や色表現などは後継機の方が大きな進化を遂げており、直射日光下での視認性でiPhone Xはかなり劣ることになる。ただし、iPhone Xでも画面自体は十分きれいではあるものの、発売から5年となれば経年劣化による焼き付きなども目立つようになってくる。
iPhoneに関しては液晶パネルのiPhone SE(第3世代)の存在もあり、こちらに関してはiPhone 8と大きな差もない。画面におけるイノベーションはさまざまな趣向を凝らすAndroidスマートフォンに比べると見劣りはする。
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