「ワイヤレスホームルーター」が豊作だった2022年 2023年はどうなる?(筆者の願望も込めて):5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/3 ページ)
2023年も、はや1カ月が過ぎ去ってしまいました。2022年を振り返りつつ、今年のモバイルデータ通信について、筆者の願望込みで展望していきたいと思います。
「どこでもインターネット」の可能性を開く衛星インターネット
昨今ではTwitterの買収で世間をにぎわせているイーロン・マスク氏は、航空/宇宙分野のベンチャー企業「Space Exploration Technologies(SpaceX)」の経営も手がけています。
SpaceXは幾つかのサービスを提供していますが、その中でも一般的な個人ユーザーにも手が届くサービスとして低軌道人工衛星によるインターネットサービス「Starlink(スターリンク)」があります。2022年10月、SpaceXは日本の東半分でStarlinkの提供を開始し、12月までに日本のほぼ全域で利用できるようになりました。
- →衛星インターネットサービス「Starlink」が日本でサービスイン おおむね渡島半島から関東山地の東側まで利用可能
- →衛星インターネット「Starlink」個人向けプラン、西日本からも申し込み可能に
個人が契約できるStarlinkの料金プランは住宅向けの「レジデンシャル」と、自動車で移動しながら利用することを前提とする「RV」の2種類があり、月額料金はそれぞれ6600円と9900円です。どちらも初期費用(機器代金)として7万6000円(現在はキャンペーンで3万6500円)が必要です。
この価格であれば、固定インターネット回線として使うことも現実的な選択肢となります。
日本国内では都市部はもちろん、高速道路や新幹線を含む鉄道でも、人が往来しうる場所はおおむねモバイル(携帯電話)ネットワークのエリアとなっています。しかし、山間部や過疎地域、一部の離島はエントランス回線(基地局の設置に必要な通信回線)の都合から“圏外”のままとなっています。圏外でないとしても、エントランス回線の都合で通信速度が遅いケースもあります。そのような場所では、Starlinkのような衛星インターネットサービスは非常に良いサービスです。
ただ、Starlinkのアンテナとルーターは少しかさばるので“モバイル”することが困難です。しかし、自動車での移動を前提とする場合は、RVプランを契約してトランクにアンテナとルーターを“常備”しておくこともアリかもしれません。RVプランは「利用中断」にも対応しているので、全く使わない月は「0円」で維持することもできます(※2)。
国内でのサービスは始まったばかりなので、過度な期待は禁物かもしれませんが、今後が楽しみです。
(※2)利用中断する場合は、次の料金請求タイミングまでにユーザー用Webサイトから手続きする必要があります(月額料金は日割りできません)。利用を再開する場合も、ユーザー用Webサイトから手続きをしてください(この場合は再開の7日後に課金されます)
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