「ワイヤレスホームルーター」が豊作だった2022年 2023年はどうなる?(筆者の願望も込めて):5分で知るモバイルデータ通信活用術(3/3 ページ)
2023年も、はや1カ月が過ぎ去ってしまいました。2022年を振り返りつつ、今年のモバイルデータ通信について、筆者の願望込みで展望していきたいと思います。
そろそろ「5G対応のキャリアフリーホームルーター」が欲しい
ワイヤレスホームルーターといえば、大手キャリアを通して販売されるものが主流ですが、ピクセラの「PIX-RT100」やアイ・オー・データ機器の「CS300FR」など、キャリアフリー(オープンマーケット)製品もあります。ただし、現時点では5G通信に対応するキャリアフリー製品は存在しません。
5Gモデルが出ない背景には、キャリアフリーなホームルーターにピッタリな5G料金プランが少ないという点があると考えられます。ドコモなら「5Gギガホ プレミア」、楽天モバイルならRakuten UN-LIMIT VIIを使えば「月間容量無制限」なので固定インターネット回線と同じように使えます。しかし、そのようなプランはauやソフトバンクにはありません。
強いていえば、KDDIと沖縄セルラー電話ならauではなくオンライン専用の「povo2.0」を契約して「データ使い放題トッピング」を購入する方法もありますが、トッピングが24時間単位なので毎日それなりに使う場合は面倒な上、そもそも契約にスマホが必須という課題もあります。サービス側の仕様変更などによって事前の告知なしに利用できなくなる可能性もあります。
もっと、ルーターを含めてデータ通信に特化した端末で使いやすい5Gプランが出てくれば、このような状況も変わると思うのですが……。
KDDIと沖縄セルラー電話ならpovo2.0でワイヤレスホームルーターを使うという手もありますが、両社はスマホ(と一部タブレット)で使うことを前提としてサービスを組み立てているため、少し面倒な部分が生じてしまいます
一方で、LTE/5G対応のワイヤレスホームルーターは、通信速度や容量に問題が無くても障害発生時はやや心配が残ります。というのも、基本的にシングルSIM構成で、1社のネットワークにしか接続できないからです。契約している通信事業者で通信障害が起きると、固定回線として使うホームルーターもスマホが同じキャリアの場合、両方とも障害の影響で利用できなくなる可能性があります。
スマホではデュアルSIM対応機種が増えていますが、家庭内にスマートホームデバイスなどインターネット通信を必要とするデバイスが増えていることを考えると、ホームルーターの通信についても多重化できると安心できそうです。
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