楽天モバイルでau回線が使い放題でも「auユーザーの通信品質に影響なし」 KDDIが明言
楽天モバイルがKDDIと新たなローミング協定を結んだことで、6月1日から東名阪の繁華街がローミングエリアに追加される。これに伴い、楽天モバイルはローミングエリアにおける高速通信を月間5GBまでとする制限を6月1日から撤廃。既存のau/UQ mobile/povoユーザーの通信品質に影響が出る懸念があるが、KDDIによると影響はないという。
楽天モバイルがKDDIと新たなローミング協定を結んだことで、2023年6月1日から、東京23区、名古屋市、大阪市の一部繁華街エリアがローミングエリアに追加される。
楽天モバイルはこの新ローミング協定に伴い、ローミングエリアにおける高速通信を月間5GBまでとする制限を6月1日から撤廃。同日に提供する「Rakuten最強プラン」では、ローミングエリアでも無制限でデータ通信を利用可能とする。これで人口カバー率が99.9%になり、同社は他キャリアと遜色ないカバー率になったとアピールする。
一方、東名阪の繁華街で楽天ユーザーのトラフィックが増大することで、既存のau/UQ mobile/povoユーザーの通信速度が低下する、つながりにくくなる、などの影響が出るのかは気になるところ。
実際、楽天モバイルがローミングエリアでの高速通信を無制限としたことで、ユーザーから心配する声が挙がっているという。しかしKDDIは、「au/UQ mobile/povoユーザーの通信品質に影響が出ることはない」と説明する。
まず、楽天モバイルがローミングで利用するのは800MHz帯のみ。au/UQ mobile/povoでは800MHz帯に加え、700MHz帯、1.5GHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯、2.5GHz帯、3.5GHz帯を用いており、複数の周波数帯を束ねるキャリアアグリゲーションによって、さらなる高速通信を実現している。加えて、繁華街でも全域をカバーするのではなくスポットでカバーするため、「auの繁華街全体に占めるトラフィックは数%程度であることを試算している」(KDDI 執行役員 パーソナル事業本部 副事業本部長 兼 事業創造本部長の松田浩路氏)とのこと。
東名阪の繁華街を除くと、「(ローミングの)変更点はほとんどなく、エリアが増えることはない」(松田氏)とのこと。「楽天が自助努力で迅速にエリア化が困難なところはお貸しする」(同氏)という考えのもと、郊外やルーラルのエリアでローミングを提供してきた。
楽天モバイルも、パートナー回線(au回線)でデータ制限なしであることをアピールしているため、au回線の全てが使い放題であるかのような誤解を生んでいる面があるが、ローミングで利用できるのはごく一部であることは覚えておきたい。これまで楽天回線でつながりにくかったところで(ローミングによって)つながりやすくなる効果は期待できるものの、高速通信を存分に利用できるかどうかは未知数だ。
新たなローミング協定は、期間が当初の「2026年3月末まで」から「2026年9月まで」に延長された。さらに延長するかどうかについては、両者で協議の上、決定する見込みだ。
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