KDDIが「サステナブル基地局」を運用開始 24時間365日CO2排出量実質ゼロへ
KDDIとauエネルギー&ライフは5月31日から、カーボンニュートラルの実現に向け、CO2排出量実質ゼロの「サステナブル基地局」を運用している。両社が6月9日、発表した。太陽光発電による電力で晴天の日中なら1局分に必要な電力を全て賄えるとしている。
KDDIとauエネルギー&ライフは5月31日から、カーボンニュートラルの実現に向け、CO2排出量実質ゼロの「サステナブル基地局」を運用している。両社が6月9日、発表した。
KDDIは電力などのエネルギー消費を通じて、一般家庭の約40万世帯分に相当する、年間約100万トンのCO2を排出しており、そのうちの98%が携帯電話基地局/通信局舎/データセンターで使用する電気に起因するとしている。5Gの普及と通信量の増大に伴い、CO2の増加が想定されることから、環境への配慮が一層重要になると同社は考える。
サステナブル基地局は、環境への配慮に関する取り組みの一環で導入するものだ。基地局周辺に太陽光発電パネルを設置し発電することで、基地局から電波を発射する際の電力に活用する仕組み。晴天の日中なら1局分に必要な電力を全て賄えるとしている。災害などで商用電源の供給が滞った場合も、太陽光パネルで発電した電力を活用し、非常用電源の蓄電池を長持ちさせることで、通信が途絶えにくいという。太陽光発電ができない夜間や悪天候時には、CO2排出量実質ゼロとなるカーボンフリープランの電力を活用する。これにより、24時間365日CO2排出量実質ゼロを実現するとしている。
KDDIは通信量が少ない時間帯に基地局の一部をスリープすることで、電力使用量を最大30%削減する他、7通信局舎の購入電力を各地域電力会社のカーボンフリープランへ切り替える取り組みも実施している。
今後も両社は太陽光発電以外の再生可能エネルギーを活用した基地局運用を検討する他、既設の基地局を切り替えていくなど、サステナブル基地局を拡大する考え。KDDIは2030年度までに自社の事業活動におけるCO2排出量実質ゼロを目指すとしている。
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