日米企業のChatGPT利用率に大差 日本は7%がビジネスに利用、46%が「知らない」
MM総研は、6月12日に日本と米国の企業/団体に所属する従業員を対象としたChatGPT利用動向の調査結果を発表。日本の利用率は7%に留まり、利用目的は日米ともに「既存業務の効率化」が大半を占める。
MM総研は、6月12日にChatGPT利用動向の調査結果を発表した。対象は日本と米国の企業/団体に所属する従業員1万3814人(日本1万3412人、米国402人)で、5月末にWebアンケート調査を実施した。
ChatGPTは米OpenAIが開発した自然な文章を生成する人工知能(AI)で、2022年11月のリリースから2カ月程で1億ユーザーを突破。ビジネスでのChatGPT利用率は、日本では7%に留まり「知らない」が46%、知っていても「利用していない」が42%となった。
一方、米国は利用率が51%で「知らない」も9%となっている。この他、ChatGPTなど言語系AIだけではなく、Stable DiffusionやDALL-Eをはじめとする画像系などその他の分野でも利用率に大きな差が出た。米国では6割以上の経営層がChatGPTへ強い関心を持っているのに対し、日本は米国の半分以下となった点が要因の1つと考えられるとしている。
日本でChatGPT利用率の高い属性を見ると、従業員の多い大手企業であること、職階は経営層や管理職が上位に。業種ではエネルギー/水などインフラ系、学術研究、情報通信で平均値よりも2~3ポイント高い。一方、卸/小売、自治体や中央官庁などの行政、不動産は低く、部門では人事が24%と平均よりもかなり高い。
ChatGPT利用者に具体的な用途を聞くと、日本では利用率の高い順に文章生成、要約、校正/構造化、情報検索となった。具体的には「メールなどの定型文を作成する」「議事メモを要約する」「膨大な情報があるときの整理」など、業種や部門に寄らない事務作業を効率化する用途が目立つ。
満足度を聞くと用途ごとに若干の温度差はあるが、10段階評価で概ね6~7点という評価になった。さらに、9割以上の利用者が「今後も利用継続したい」と回答している。利用を維持/拡大するための課題は、日米とも「回答の精度」が5割弱を占めた。
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